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【リオから東京五輪へ(中)】千葉すず問題契機に独自の「派遣標準記録」設定

【リオから東京五輪へ(中)】

千葉すず問題契機に独自の「派遣標準記録」設定

千葉すずは2000年のシドニー五輪代表選考会で優勝しながら代表に選ばれず、日本水連をCASに提訴した

千葉すずは2000年のシドニー五輪代表選考会で優勝しながら代表に選ばれず、日本水連をCASに提訴した【拡大】

 マラソンと並び、五輪の注目競技である競泳も、かつては代表選考で物議を醸した。

 2000年4月、シドニー五輪代表選考会を兼ねた日本選手権。女子200メートル自由形を制しながら代表から漏れた千葉すずが、これを不服としてスポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴したことで、社会問題化した。

 この“事件”をきっかけに、競泳の五輪代表選考基準は明確化された。独自で「派遣標準記録」(世界ランキング16位、入賞圏内を想定)を設定。日本選手権でこの記録を突破した上、上位2位以内に入ることが代表選出の条件となった。

 以前も代表争いは日本選手権での一発勝負だったが、優勝イコール五輪切符ではなかった。「世界で戦えるか」という曖昧な指針があったからだ。それを派遣標準記録というタイムに変えたことで、騒動に発展するような選考はなくなった。

 当時を知る日本水連の上野広治常務理事強化本部長は「裁判があったからこそこうなった。(透明性があるのが)いいところ」と現行制度の利点を挙げる。その一方で、「競泳だからこそ(一発勝負が)できるのかもしれない」とも指摘した。

 競泳が派遣標準記録を設定した一発選考に踏み切れるようになった最大の要因は、日本選手のレベルが上がり、層が厚くなったから。世界と戦える選手がごく一部だった1980~90年代の低迷期に現行制度を当てはめると、有力選手でも日本選手権での調子次第で代表落ちとなる可能性があり、リスクは大きい。

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