2015.11.29 05:03

【佐野稔の舞評論】羽生、4回転5度も気力と体力問題なし

【佐野稔の舞評論】

羽生、4回転5度も気力と体力問題なし

特集:
羽生結弦

 羽生はSP、フリーで4回転を合計5回跳んでも、まったく問題ない気力と体力を備えていた。冒頭の4回転サルコーは高さがあり、回転軸が細くて体が締まっていた。非常に回転効率のいいジャンプだった。

 後半に組み込んだ4回転-3回転の連続トーループにも余裕が感じられた。続くトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)-2回転トーループは、GOE(出来栄え点)で3・00点の加点を引き出した。当初の構成から変更したものだが、かえって流れは良くなった。

 演技点は100点満点で97・20点をマーク。この日以上の内容を残さないと、今後は同様の評価を得られないだろう。余計な心配をしてしまうほど、素晴らしいものを見せてくれた。

 浅田は3回転ルッツの踏み切りが不明瞭と判定されたが、違反でなかったことは大きい。中国杯まで好調だったトリプルアクセルの失敗は、蓄積された疲労が原因かもしれない。GPファイナルではリベンジを期待したい。 (1976年インスブルック五輪代表、1977年東京世界選手権銅メダリスト)

(紙面から)