2014.6.9 05:03

桐生、男子100初の日本一!9秒台より「優勝したかった」/陸上(2/2ページ)

優勝した東洋大・桐生祥秀

優勝した東洋大・桐生祥秀【拡大】

 降りしきる雨に、10秒の壁が立ちはだかった。隣のレーンに並んだ山県を意識した桐生は、無難なスタートを切る。中盤から加速して前回王者を突き放すと、10秒22でフィニッシュ。傘を差し応援した1万5000人の観客から祝福された。

 「9秒台を期待されたけど狙ったら硬くなるとわかっていた。いろんなことを考えたら負ける。優勝したかった」

 7日の予選は10秒15、この日の準決勝は10秒21とレースを重ねるごとにタイムを落とした。来夏の世界選手権(北京)男子400メートルリレー出場権を獲得した、世界リレー大会(バハマ)から先月28日に帰国。数日は時差調整を余儀なくされ、苦手とするスタート練習に時間を割けなかった。

 指導する土江寛裕コーチ(39)によると、右太もも裏の痛みを理由に決勝を棄権した4月の織田記念国際(広島)は100メートルの総歩数が49・5歩だったという。その後の練習で47・5歩まで減らし、“ムダ”な2歩の削減に取り組んだ。

 今後の目標は7月22日開幕の世界ジュニア選手権(米オレゴン州ユージーン)だ。日本記録(10秒00)保持者の伊東浩司・日本陸連短距離部長(44)によれば、会場は2メートル前後の風が吹き、9秒台をたたき出す絶好のチャンス。「どんな選手と走っても勝てるようにしたい」。同世代としのぎを削る世界の舞台で歴史に名を刻む。 (江坂勇始)

(紙面から)