2021.5.4 12:00

【サッカーコラム】J1唯一の未勝利チーム、横浜FCの巻き返しに期待したい

【サッカーコラム】

J1唯一の未勝利チーム、横浜FCの巻き返しに期待したい

特集:
No Ball, No Life
競り合う横浜FC・三浦(左)

競り合う横浜FC・三浦(左)【拡大】

 【No Ball、No Life】何とも先が見えない。0勝2分け10敗。横浜FCがJ1唯一の未勝利チームで最下位と、もがき苦しんでいる。J1に13年ぶりに復帰した昨季は9勝6分け19敗の15位。2007年にはJ1で4勝しかできなかったチームが、倍以上の9勝と大躍進したのだったが…。

 開幕前から気にはなっていた。FW伊藤翔、FWクレーベら攻撃陣の補強に成功した下平隆宏・前監督(49)は「今季は攻撃的に、試合の主導権を握るような戦いをしたい」と、ボールを握るポゼッションサッカーを推進。ただ現実は厳しく、リーグ戦の全12試合で失点し、総失点は35と守備が“崩壊”してしまった。

 昨季の戦いから手応えをつかんでいたことは間違いない。ただ、昨季はコロナ禍の特別なシーズンでJ2降格もなく、若手を多く起用するなど勝ち負けを度外視した戦略をとったチームが多かった。そう考えると、今季も徹底した守備からカウンターという戦術を継続していれば、あるいは違った結果になったかもしれない。

 それでも、リーグ戦はまだ半分以上もある。あきらめる必要はない。4月初旬に就任した早川知伸新監督(43)は、4月28日のルヴァン杯、柏戦(ニッパツ)を2-0で勝つと「チームの雰囲気はよくなっている」と前向きに話した。「守備一辺倒になるとやられる」とも。守備の再構築に力を入れる一方、『守備の最大の武器は攻撃』とばかりに、相手ゴールに向かう気持ちを忘れない戦いに挑んでいる。

 2月27日の開幕、札幌戦(札幌ド)に1-5で敗れ、出はなをくじかれた。この試合でベンチ外だった最年長JリーガーFW三浦知良(54)は「前半終了間際の2失点がいけない。1-2のまま後半にいけば、展開は違っていた。ずるさや賢さがなかった」と分析した。失点すると下を向く選手が多い-とも指摘された。もう一度、気持ちの面を立て直すことも必要だろう。

 決して、他チームより戦力が極端に劣っているとは思えない。「若手の中からヒーローが出てきてほしい」とカズが願うように、新戦力の台頭があれば一気に勝ち星も増えていくだろう。新指揮官の情熱と選手の奮起がかみ合えば、降格圏脱出も見えてくる。巻き返しに期待したい。(宇賀神隆)