2021.4.20 12:00

【サッカーコラム】競争あるところ成長あり、日本代表は前に進んでいる

【サッカーコラム】

競争あるところ成長あり、日本代表は前に進んでいる

特集:
森保JAPAN
No Ball, No Life
指示を出す日本代表・森保一監督

指示を出す日本代表・森保一監督【拡大】

 【No Ball、No Life】国外でプレーする選手、国内でプレーする選手。年齢を重ねた経験豊富な選手に、成長過程にある若い選手。ピッチに送り出された選手がいずれも変わらない高いモチベーションを持ってプレーすることで、日本代表は3月25日韓国戦(○3-0)、30日モンゴル戦(○14-0)によい流れ、よいカタチで連勝した。

 この2試合に限らず、国外組で戦った2020年に欧州で行われた4試合、10月9日カメルーン戦(△0-0)、13日コートジボワール戦(○1-0)、11月13日パナマ戦(○1-0)、17日メキシコ戦(●0-2)でもチームとして統率の取れた戦いを披露していた。というか、第三国での強豪相手のこの4試合はまさに強化試合で、どれだけの強度で戦わなければならないか各選手がしっかりと確認できていた。

 国内組が加わった2021年3月のシリーズでは招集されたフィールドプレーヤー全員がピッチに立ち、各選手が先を見据えて自分のプレーを最後まで貫いた。最終ライン、中盤、前線の多くのポジションで出場争いが激しく、選手間の競争が日本代表をレベルアップさせている。GKの出場争いも含めてそうした印象だが、とくに興味深いのが4-2-3-1で戦うときの左サイドバックである。

 安西幸輝、中山雄太、佐々木翔、小川諒也。昨年からの6試合中5試合が4-2-3-1でスタートし、4人が先発している。これまで不動の左サイドバックだった長友佑都が先発したパラグアイ戦は3-4-2-1で、色濃く代替わりを感じさせるポジションだともいえる。これまで「長友の後継者がいない」と懸念されてきたが、各選手が競争することでもっとも可能性があるポジションとなっている。

 本来は右サイドバックの室屋成も所属クラブで左サイドバックを経験済みだし、U-24日本代表をみれば3月26日アルゼンチン戦(●0-1)では旗手怜央、29日アルゼンチン(○3-0)では古賀太陽がそれぞれこのポジションを務めている。森保一監督は常日頃から日本代表、U-24代表を「大きなひとつのグループ。ワンチームというカテゴリーで活動している」と表現しており、東京五輪後には選択肢がさらに広がることになる。

 ここでは左サイドバックに焦点を当てたが、他のポジションも出場争いが激化している。守備的MFであれば、柴崎岳、遠藤航、中山雄太、橋本拳人、守田英正、川辺駿、稲垣祥、板倉滉、渡辺皓太、田中碧など、ワンチームのなかで多くの選手がプレーしている。右サイドバックにしても、酒井宏樹にかかる負担が軽減されそうである。

 森保監督は同シリーズを終えて、「チーム作りにおいて戦力の幅が広がった。底上げができた」と語っていた。この競争がチームをどう変化、進化させるか--。制限されたなかでの活動を強いられているが、日本代表はしっかりと前に進んでいる。(フリーランスライター・飯塚健司)