2021.2.23 12:00

【サッカーコラム】浦和DF槙野が覚悟の10年目へ

【サッカーコラム】

浦和DF槙野が覚悟の10年目へ

特集:
No Ball, No Life
浦和・槙野

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 【No Ball、No Life】J1浦和の元日本代表DF槙野智章(33)が浦和で10年目のシーズンを迎える。リカルド・ロドリゲス新監督(46)の下、昨季リーグ10位の悔しさをばねに、来年のACL(アジア・チャンピオンズリーグ)出場権獲得を虎視眈々と狙っている。

 「何としてもACLの舞台へ。そして、またアジア王者になりたい」

 こう常々、口にする。そのこだわりだけは譲れない。2017年にはアジア制覇に貢献し、19年は決勝で敗れて準優勝。これまで浦和での9年間で、ACL決勝に2度立った。3度目の夢舞台へ、“お祭り男”が燃える。

 今季の浦和は、MF長沢、MF青木ら主力選手が移籍退団し、新しいチームで若返りを図っている。スタメンの顔ぶれも刷新される中、槙野はセンターバックでの先発起用が濃厚だ。将来はJリーグの監督を目指す男は、そんなチームを縁の下で支え、若手や移籍選手の“兄貴分”として存在感を放つ。

 1月下旬から始まった沖縄キャンプでは、同じセンターバックの青森山田高から加入したルーキーDF藤原優大(18)と積極的にコミュニケーションを図った。「まだ遠慮している。自分の良さをもっと出してほしい」と注文を付け、18歳は「槙野さんのような安心感を与えられる選手になりたい」と前を向いた。

 また、J1大分から移籍した、かつての浦和レジェンドと同姓同名のMF田中達也(28)とは自主トレをともにし、「槙野さんは、いい人。溶け込みやすい」と、早くも心をつかんだ。

 キャンプ中の規律違反の発覚や手薄な補強など、クラブは逆風にさらされる。開幕前の各メディアの順位予想でも、浦和の上位進出を予想する評論家は少ない。

 それでもベテランは覚悟を決めた。節目の10年目で「ここ2、3年の長いトンネルから抜け出せるのではないか。個人的にはペトロビッチ監督のときのような質の高いサッカーが見えてくると思う」と、攻撃的な浦和の再現を目指す。そのためにならストライカー転身もいとわない。「FWもできると監督には伝えた」と断言した。

 すべてはチームのため。大方の予想を裏切る上位進出へ、そのカギを握るのは間違いなく33歳だ。(宇賀神隆)