2021.1.12 12:00

【サッカーコラム】ロングスローにカズの契約更新 考え方は人それぞれ

【サッカーコラム】

ロングスローにカズの契約更新 考え方は人それぞれ

特集:
No Ball, No Life
契約更新した横浜FC・三浦

契約更新した横浜FC・三浦【拡大】

 【No Ball、No Life】高校サッカーでロングスローが話題となり、Jリーグでは横浜FCが三浦知良との契約を更新した。どちらも賛否両論がある事柄で、記者の間でもときおり話し合いの議題にあがる。先に結論を記すと、そこに正解や不正解はなく、十人十色の考えがあるだけ。話し合う人間が増えれば増えるほど、さまざまな意見が出てくる。

 ロングスローはたしかに試合の流れが止まる。ボールが出たサイドにスローワー(投げ入れる選手)がいればいいが、逆サイドから移動してくるケースもある。ゴール前で両チームの選手がポジションを整える時間やスローワーがタオルで丁寧にボールを拭き上げる時間も必要だ。こうした“間”がサッカーにそぐわないと感じる人もいるようだが、そもそもセットプレーはそういうもの。FKやCKと同じだと考えれば、違和感はなくなる。

 また、単純に身体能力の優位性を生かした戦法で、成長の度合いに差がある育成年代の戦いにはそぐわないという考えもある。しかし、目前の勝負に勝つことを重視すれば、自分たちが持つ武器を使わない手はない。育成年代は選手の成長につながる指導が求められるが、なんのためにサッカーをやっているかといえば試合に勝つためであり、勝利をつかみ取るための方法を泥臭く学んでおくのは決して悪いことではない。

 こうした理由から、個人的にロングスローには肯定的だ。FKやCKでやみくもにゴール前にボールを送るのではなく、徹底して短くつなぐチームもある。ロングスローもこうした戦術のひとつ、セットプレーのひとつであり、ルールを守って投げていれば問題はない。ただ、日本代表が国際試合に臨むときなど、高さ&強さがある相手との対戦では有効な手段とはならない。勝つための選択肢のひとつとして、試合によっては有効なときもあるという認識だ。

 カズの契約更新についてもさまざまな考えが存在する。戦力になっていない。若手の枠をひとつ潰しているなど。しかし、横浜FCはカズをクラブの“戦力”として考え、契約している。他に代わる選手がいるなら、交渉の場でその旨をカズに伝えるだけだ。そうではなく、今シーズンも契約したということは、単純に引き続きその存在がクラブにとって必要だということに過ぎない。

 横浜FCには、横浜FCなりの考えがある。もちろん、カズ自身にも--。ロングスローの賛否両論と同じく、やはりそこに正しい答えはなく、人それぞれ、クラブそれぞれだということ。自分がどんなことを受け入れ、どんなことに違和感があるのか? サッカーはいろんなことを教えてくれるもので、自分が持つ個性の一端に関して、こうした事柄を考えることで探ることができる。

(フリーランスライター・飯塚健司)