2020.8.4 12:00

【サッカーコラム】J通算50試合目を迎えた神戸・イニエスタの“アシストのアシスト”

【サッカーコラム】

J通算50試合目を迎えた神戸・イニエスタの“アシストのアシスト”

特集:
No Ball, No Life
神戸のイニエスタ

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 【No Ball、 No Life】神戸MFアンドレス・イニエスタ(36)が2日の札幌戦(札幌ド)でJリーグでの通算50試合目の出場を迎えた。J1で44試合、天皇杯などのカップ戦で6試合に出場している。

 3-2で逆転勝利したこの試合で、イニエスタはFWドウグラスが得点した前半45分の得点の起点になった。センターサークルの手前から、右サイドの裏に飛び出したDF西の右足に浮き球のスルーパスを落とし、西がドウグラスにラストパス。“アシストのアシスト”で得点を演出した。

 フィンク監督が「ロングボールは事前のプランにあった。前半25分まではそれをうまく出せず、相手がマンツーマンでついてきたので難しい時間だった。得点後は中盤にスペースができた」と話したように、前半31分に同点弾を奪ってからペースは神戸に渡った。

 イニエスタが後方でパス回しに加わり始めた前半40分からドウグラスの得点まで、札幌のボールタッチは9回。その間神戸は69本のパスを回し、イニエスタの必殺パスで仕上げた。ゆったりと試合の展開を調節してから一気に好機を演出する技術は、チームでもほかに代えがたい武器になっている。

 数字に残らない“アシストのアシスト”は、昨季筆者が現地取材した試合に限っても、アウェーの第3節・仙台戦で左サイドのFW古橋に届けた浮き球のスルーパス(古橋のクロスを受けたFWビジャが得点)やアウェーの第24節・鳥栖戦で自陣左サイドから、逆サイドの古橋に届けたボレーのロングパス(古橋のラストパスを受けたFW田中が得点)などがすぐに頭に浮かぶ。

 昨年の取材時は「ボールを受け取る前にチームメートを把握し、生かそうと先読みしている」と話していた。記録に残らずとも記憶には残るこうしたパスの数々は、ピッチの状況を的確に捉える目と、イメージを実現するキック技術の合作で生まれている。

 「ヴィッセル神戸50試合出場記念を勝利で飾ることができ、嬉しいです!頑張りましょう!」とツイッターに投稿したイニエスタ。その数字が今後どこまで積み重なるのか。そしてそれをあと何回、現地で取材できるのか。記者生活の大きな楽しみのひとつになっている。(邨田直人)