2020.7.14 12:00

【サッカーコラム】横浜FCの今季J1初勝利と4603日前のJ1勝利、両試合を現場で取材した

【サッカーコラム】

横浜FCの今季J1初勝利と4603日前のJ1勝利、両試合を現場で取材した

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No Ball, No Life
横浜FC・三浦知良

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 【No Ball、 No Life】7月8日。柏-横浜FC(三協柏)の試合を取材した。結果は横浜FCが3-1で勝利。前半21分、FW斉藤光毅(18)がJ1初ゴールで先制すると、同点とされた後半2分にはMF松浦拓弥(31)がミドル弾を決めて勝ち越し、同40分にはオウンゴールで突き放す快勝劇だった。

 実に4603日ぶりのJ1勝利。寂しかったのは、その4603日前に最後のJ1勝利を決めた“立役者”だったカズことFW三浦知良(53)がベンチ入りしなかったことだ。

 その試合が13年前の2007年12月1日、日産スタジアムで行われた浦和戦だった。当時も横浜FCを担当していた記者が、この試合も取材できた。浦和にとっては重要な最終戦だった…。

 この年の浦和は強かった。DF闘莉王、MF鈴木啓太、MF長谷部誠、MF阿部勇樹、FW永井雄一郎、MFポンテ、FWワシントンら強力外国人や日本代表選手がずらり。第29節を終えて2位のG大阪に勝ち点6差を付けて独走。鹿島は同10差の3位だった。

 ただ、そこから1敗3分けと足踏み。一方、鹿島は連勝を続け、浦和が勝ち点70、鹿島が同69まで追い上げ、勝ち点1差にまで迫って最終節を迎えた。それでも、横浜FCはここまでわずか3勝しかできず、すでにJ2降格が決まっていた。浦和は鹿島の勝敗に関係なく、勝てばリーグ優勝が決まる試合だった。下馬評でも浦和勝利は揺るがなかった。

 その前日、11月30日に横浜FCの練習を取材した。1トップでの先発出場が確実だったカズは、アジア王者の浦和相手に「勝ちたいね。勝てばチームの歴史を作ることになるし、サポーターに意地を見せたい気持ちはある」と前を向いた。前年にJ2優勝。初のJ1舞台は早々にJ2降格…。それだけに、目の前で浦和の優勝だけは阻止したいという気持ちがあふれていた。

 迎えた最終決戦。快晴の日産スタジアムにクラブ史上最多観客動員となる4万6697人を集めて、午後2時34分にキックオフ。浦和の選手たちは連戦(リーグ戦と並行して行われたアジア・チャンピオンズリーグでJリーグ勢初優勝)の疲れから体が重く、横浜FCが主導権を握る。そして前半17分、カズが左サイドを突破し中央へスルーパスを供給すると、MF根占真伍がこれを決めて先制に成功する。その後は浦和が猛攻を仕掛けるも1点が遠かった。1-0のまま、試合終了。一方の鹿島は清水を3-0で下したため、鹿島の大逆転優勝となった。

 カズは試合後、「これはサポーターに向けた1勝。勝てたことが自信になったし、J2に降格しても、またはい上がってきたい」と言い切った。

 それから13年。ようやくJ1の舞台に戻ってきた。13年前に所属していた選手で、今も横浜FCに所属する選手はカズだけ。出場するだけでJ1最年長出場を更新するカズだが、今季J1リーグ戦の出場はまだない。それがいつになるのかはわからないが、チャンスは必ずくる。それを信じてカズのJ1出場を待ちたい。(宇賀神隆)