2020.5.21 12:00

【サッカーコラム】Jリーグ再開へのもう一つの“大きな壁”

【サッカーコラム】

Jリーグ再開へのもう一つの“大きな壁”

特集:
No Ball, No Life

 【No Ball、 No Life】ようやくJリーグが再開する。今月22日に専門家チームからアドバイスを受け、29日までの1週間で調整。各クラブは全体練習を再開させ、約4週間後にリーグ戦が再開することになる。

 2月下旬から中断しているリーグ戦は、約4カ月のブランクを経て再開する運びとなりそうだが、大きな問題も残る。それが選手の練習参加を“強制”させるのか、という問題だ。

 先日、ある首都圏のJクラブを取材。関係者はこう断言した。

 「全体練習が始まっても『練習に参加したくない』という選手が出てきたら、その選手の意思を尊重したい」

 子供や両親らと同居している選手は、家族に感染させたくないという気持ちが出ても不思議ではない。その意思は無視できないということだ。

 このご時世、当然といえる。いくら感染リスクが低くなってきたと言っても、いわゆる3密や濃厚接触は避けたい。国や自治体も「緊急事態宣言が解除されても、いわゆる3密などを避けて行動してください」と呼びかけている。全体練習に参加しない選手が続出する事態も考えられるが、同クラブの関係者は「練習に出てこない選手を試合に出さないということもない」と、再開後の試合出場の条件に練習参加を求めない意向も示した。

 今月29日を目途に、Jリーグの再開日が決まる。6月1日から、すべてのクラブの全体練習が可能になったとして、およそ4週間の準備期間を経て、7月初旬の再開が現実的。ただ、全体練習には全選手が集まるのか。かりに自分自身がサッカー選手だったとして、何の迷いもなく全体練習に参加できるかと問われれば、即答できない人が多いのではないか。

 1年延期された東京五輪では、こんなフレーズをよく耳にした。「プレーヤーズファースト」。選手のコンディションや健康が一番大事だということ。

 これはサッカーでも同じ。やはり選手の健康が一番ということになる。Jリーグは、22日に専門家から助言を受けた後、選手会とも協議する。あるベテラン選手は「正直、今は全体練習に加わりたくない。対人練習などは完全な濃厚接触だし…」と不安を口にする。

 リーグ再開は待ち遠しい。だが、選手の気持ちを置き去りにした再開は考えられない。日本は再開したドイツと違って全選手のPCR検査が受けられないのなら、選手が不安に思う気持ちもわからないこともない。(宇賀神隆)