2020.4.4 07:25

Jリーグが再開日程の白紙を即日決断した理由

Jリーグが再開日程の白紙を即日決断した理由

 ■段階的なスタートそのものがもう難しい

 Jリーグは3日、第5回臨時実行委員会後のメディアブリーフィングをWebで行い、公式戦再開の日程をいったん白紙に戻すと表明した。3月25日に2度目の延期日程としてJ3を4月25日、J2を5月2日、J1を5月9日と段階的に再開を目指すと発表していたが、これをいったんリセット。3度目の新たな日程について村井満チェアマンは、従来2週間ごとに考えていた調整を今後は「1カ月以上あける」とし、今日の時点で5月下旬から6月上旬の再開を目指すこととなった。

 判断の理由は、この日の午前中に行われた日本野球機構(NPB)とJリーグによる「第5回新型コロナウイルス対策会議」において、専門家チームのトーンが「従前から大きく変わったことを感じた」ためだと説明。

 従来の対策会議では「どうすれば再開できるか」が議論の中心だった。例えば、アウェイの一定数の制限や、密接回避のための50%の収容率、飛沫が飛ばないような応援スタイル、サーモメータ-やアルコール消毒などといった「“感染の原因”となるものを定義していた」。つまり、「原因を回避することで開催ができるのではないか」という議論を重ね、「感染リスクの低いJ3で備えてJ2、J1に持っていこう」と段階的に考えていたとする。

 しかし、今日の対策会議では「現在感染者が出ていない地域、岩手、鳥取といった地域であってももう時間の問題であり、お客さんが少なかったとしても、選手や関係者が移動することで感染リスクにさらされる」といった段階であると専門家チームが指摘。村井チェアマンは「地域の別でもなく、無観客でいいということでもない。無観客でも移動する選手の感染リスクがある等々、段階的なスタートそのものがもう難しいというメッセージを受け取った」という。

 ■苦渋の決断を下した専門家チーム

 実際、午前中の会見では、専門家チームの座長・賀来満夫氏(東北医科薬科大学医学部総合感染症科特任教授)が「患者さんが急増している。プロ野球、Jリーグの選手・関係者も感染を受けている。どこでも感染が起こり得る状況。こういう中で4月に開催することは非常に厳しい。時間を延ばせるのであれば延ばしていただきたい」と訴えていた。

 同じく三鴨廣繁氏(愛知医科大学感染症科教授)は「感染者数は東京を中心に増え、感染経路不明で若者の感染も増えている。4月後半の開催は極めて困難」と明言。

 「じゃあいつになるか? 分からない。ピークは4月、5月だと考えており、5月の終わりであれば何とかなるのではないか。(NPB・Jリーグともに)選手・スタッフの健康管理、会場の消毒、サーモグラフィーなどの物理的な準備、環境整備等十分に対応してこられたと理解している。4月末に“準備”はできるはずだが、社会の事情が変わってきた。苦渋の決断を下さなければならなかった」

 また、再開時期を見極める観点で、専門家チームの舘田一博氏(東邦大学医学部教授微生物・感染症学教授)は「2~3週間でピークアウトしていくとは非常に考えにくい。やはり1月2月スパンで考えなくてはならない。すぐに決められない中で、少なくとも4月の段階でのスタートは難しいというのが専門家のコンセンサス」と述べていた。

 これら専門家チームの指摘を受け、Jリーグは同日午後に臨時実行委員会を開催し、全員合意で再々再度の開催延期を決める流れとなった。

 再開が延びるることで大会に費やす時間は短くなっていく。

 この点に関し村井チェアマンは、「大会そのものを大きく見直すところまでは想定していない。大枠を変えずになんとかする余地がないかどうか協議していく」とする。また、リーグ戦は75%の開催で成立するが、再開のデッドラインについては、「終わりの日程をいつにするか、天皇杯をどうするかなどで始まりのデッドラインも変わってくる。トータルの枠組みは日程プロジェクトのほうに委ねていく。この場で具体的なことを申し上げるのは難しい」と、現在の困難な状況をあらためて説明した。(Goal.com)