2019.7.15 18:25

冨安がイタリアへ出発

冨安がイタリアへ出発

特集:
アジアカップ2019
冨安健洋
イタリアに出発した冨安

イタリアに出発した冨安【拡大】

 日本代表DF冨安健洋(20)は15日、アリタリア航空機で成田空港からイタリアへ出発した。

 今月9日にベルギー1部リーグのシントトロイデンから、イタリア1部リーグのボローニャへ移籍した冨安は、出発前に取材に応じ「ステップアップするチャンスがあれば、行きたいと思っていた。こうして実現することができてうれしく思う。熱意を感じた。プレーを細かく見てもらっているという印象は受けた。良いところをしっかり伝えてくれた。それも決め手の一つ。守備を学びたいという気持ちもあってイタリアに行くことに決めた」とさまざまな国のチームから複数のオファーがあった中で移籍先を決めた理由を説明した。

 日本選手11人目のイタリア1部リーグ挑戦だ。センターバックでは初めて「カテナチオ(イタリア語でかんぬき)」と呼ばれる、かんぬきをかけたように守備が堅い戦術に代表される伝統的に堅守の国の1部リーグ所属となった。日本代表DF長友佑都(32)が2018年1月にインテル・ミラノからガラタサライ(トルコ1部)へ移籍して以降日本選手が不在だったイタリア1部リーグ。その印象は「守備の国という印象ももちろん持っているが、いいストライカーがたくさんいるという印象を持っている」と話し、対戦してみたいチームや選手は「特にどこの誰というのはない。対戦するためにはまずは試合に出ないといけない。1年間を通して試合に出ること」と冷静に語ったが、ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(34)=ユベントス=ら世界トップクラスのストライカーたちとの対戦を待ちわびた。

 「東京五輪に出たいという気持ちを(ボローニャに)伝えた」と招集に拘束力がない来年の東京五輪出場に意欲をみせた。ボローニャでレギュラーをつかむことが、9月から始まる2022年W杯カタール大会のアジア2次予選や東京五輪で中心選手となるために必要なことだと理解している。

 飛躍のシーズンとなった昨季はシントトロイデンでベルギー1部リーグ37試合1得点。アジア杯で離脱していた3試合を除き、すべての試合でフル出場した。2018年10月のキリンチャレンジ杯のパナマ戦でA代表デビュー。当時19歳とは思えないような落ち着いたプレーですぐにレギュラーを奪った。1月開幕のアジア杯、6月の南米選手権でも全試合に出場。代表で15試合に出場した。

 南米選手権で惜しくも1次リーグ敗退に終わり、帰国後は地元福岡で2週間のオフを過ごした。かつてカターニアなどイタリア1部リーグでプレーした、冨安の古巣でもある福岡に所属する元日本代表FW森本貴幸(31)から、プレー面、生活面、両方のアドバイスをもらった。特に「イタリア語を話せるようになるために(チームメートら)みんなと一緒に食事に行け」とコミュニケーションの重要性を説かれたという。森本はカターニア時代に、現在ボローニャを指揮する元ユーゴスラビア代表MFのシニシャ・ミハイロビッチ監督(50)の指導を受けたことがある。

 今月13日に記者会見で自身の急性白血病を公表した指揮官については「監督とは日本に帰国する前に電話で話した。情熱を持っている。プレー面で細かく見てくれているという印象を持った。病気に負けないというコメントも見た。一緒に戦っていけたら」。評価されたところは「ボールを運べるところ。変則的な形で3バックと4バックを使い分けるサッカー。シントトロイデンで3バックをやっていたし、右センターバックが右サイドバックみたいになることもある。僕は動いて守備をするタイプなのでできるだろうと伝えられた」。

 「下の世代もどんどん出てきている。刺激を受けながら、僕も負けないようにやらなければ」とレアル・マドリードへ移籍した日本代表MF久保建英(18)らにも刺激を受けていた。5年契約を結んだボローニャには南米選手権初戦で先制点を決められたチリ代表MFエリック・プルガル(25)ら各国の代表選手もいる。昨季ベルギー1部7位のチームからイタリア1部10位のチームへの移籍。レベルが一つ上がるが「今までは運が良すぎて、こんなにうまくいっていいのかという感じ。最後までずっとうまくいくことはないと思う。これから絶対壁にぶつかると思う。そこをどう乗り越えるか。もし壁にぶつかっても諦めずに継続してやる」。20歳のセンターバックはこの先いくつ壁を乗り越え、どこまでたどり着くのか。11日から20日までイタリア・カステルロットで合宿するチームに、遅れて合流する。