2019.4.17 13:18

【サッカーコラム】念願のサッカー記者3カ月目、リージョ監督の会見から学んだ日々

【サッカーコラム】

念願のサッカー記者3カ月目、リージョ監督の会見から学んだ日々

特集:
No Ball, No Life
フアンマヌエル・リージョ監督

フアンマヌエル・リージョ監督【拡大】

 【No Ball、No Life】今年の2月から大阪でサッカー担当記者になった。大学生のころから思い描いていた形ではあったが、入社して1年足らず、初めての担当でその任を受けるのは想定外。とはいえ念願の現場で、サッカーと関われることに喜びを感じている。

 働き始めて3カ月目。どの選手や監督の話も印象的な中で、とりわけ強く焼きついているのは神戸の監督、ファンマヌエル・リージョ(53)の言葉だ。

 試合後、監督会見はほとんどの場合監督の総括から始まるが、リージョ監督はこの際の試合描写が、群を抜いて詳細であることに驚いた。それも全く言葉によどみなく、「前半12分以降は」「この6分間は」など分単位でピッチの状況を説明する。「相手が何人で守って…」「コントロールを失って…」と話が進むたびに気が引き締まる。試合中に何か見逃したのでは、気づいていないことがあるのでは…と。

 一方、選手個別の評価に話が及ぶと「選手とチームを切り分けて論じるのは避けたい」と、必ずクギを刺す。「チームの中で選手がどうなったか、それを前提にして語るべきだ」「サッカーは1対1の勝負じゃない、11対11の勝負なんだ」…。それは、どうしても「ヒーロー」が見出しになる、自分のサッカー記事のことを見透かされているようでもあった。サッカーの本質やおもしろさはそこじゃないんだ、と根気強く教えてくれている。そんな心持ちで会見に臨んでいる。

 ビジャとポドルスキを両サイドに置き、イニエスタの「ゼロトップ」で臨んだC大阪との開幕戦。「どうして?」という質問に、負けた直後にも関わらず、丁寧に答えてくれた。殴り合いの展開を制したG大阪戦後は「そもそもボールロストが多すぎた。ただ、サンペールをデビューさせるならこの日ではなかったかもしれない」と、相手の狙いも理解しつつ、起用の難しさについて正直に語ってくれた。直接疑問をぶつけ、それに答えてもらうたびに、これまで「観客」としてみていたサッカーの捉え方が、少しずつ変化していると感じている。

 …という文章を書き終えたのが4月16日。そしてファンマヌエル・リージョは4月17日、神戸の監督からの退任を発表した。一体何が起こったのか、これを書き直している段階では何もわからない。今言えるのはただひとことだけ。僕にサッカーを教えてくれた情熱的な3カ月を、ありがとうございました。(邨田直人)