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おめでとう、マドリディスタ…ジダン監督がいれば「うまくいく」

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おめでとう、マドリディスタ…ジダン監督がいれば「うまくいく」【拡大】

 Rマドリードのクラブオフィスの一室で、明かりもつけることなく、机にひじをついて頭を抱える男性が一人。クラブの絶対的権力者、フロレンティーノ・ペレスだ。その机の上には、監督候補者のリストが記された紙が置いてある。

 彼の作品たるチームは、欧州全土をひざまずかせた白いチームはついに倒壊した。そうならないためにジュレン・ロペテギに早い段階で見切りをつけ、Bチームを率いていたサンティアゴ・ソラーリを昇格させてみたものの、かつて自身の寵愛する男が成し遂げたような復活劇が繰り返されることはなかった。

 「フロレンティーノ、辞任しろ!」

 マドリーの神殿サンティアゴ・ベルナベウでは、またもこのチャントが叫ばれるようになっていた。

 フロレンティーノの手元にある今季3人目の監督候補のリストには、多種多様な人間の名が記されていた。旧知の仲であるジョゼ・モウリーニョであれば、以前よりも人間的に丸くなったとはいえ、今のチームに鞭を入れられるだろう。いや、マウリシオ・ポチェッティーノ、マッシミリアーノ・アッレグリ、ヨアヒム・レーヴら、マドリーを率いた経験のない名高い指導者たちにチームを任せてみるのもいいかもしれない……。

 だがしかし、フロレンティーノにとって以上の候補者たちは本命に断られた後の候補でしかなかった。とにかく、まずはあの男に電話をしてみなくては……。彼の最初の行動は決まり切っていた。天から贈られたボールから美しきボレーシュートを放ってマドリーの9回目のチャンピオンズリーグ優勝に導き、カルロ・アンチェロッティのアシスタントとして10回目の優勝にも関与し、そして自ら監督となって11、12、13回目の優勝も成し遂げた男--。つまり2段落目で言及した寵愛の男、ジネディーヌ・ジダンへの電話である。

 フロレンティーノはわずか9カ月前にクラブを後にし、自身に大きな悲しみを与えたジダンを呼び戻すことを希求していた。クリスティアーノ・ロナウド退団と、今季の失敗でサイクル終焉を断じられる中、ジダンの復帰こそ黄金の日々が終わってないと言い張れる唯一の手だった。「クリスティアーノのマドリー」でないならば「ジダンのマドリー」である。

 フロレンティーノがジダンを説得するのに必要だった電話の回数は、2回。最初にかけた電話では、今すぐにではなく今季終了後ならば可能性はあると言われた。そして5日後の電話で、ケリがつく。待ち望んでいた返事を耳にして、ほかの候補者が記された紙はゴミ箱に捨てられた。クラブオフィスの一室に、再び明かりがついた。

 「おめでとう、マドリディスタたち」

 ジダンはまるでRマドリード、ひいてはフットボールの世界におけるレオナルド・ダ・ヴィンチだ。ダ・ヴィンチが暗黒時代たる中世に光をもたらしたならば、ジダンはマドリーを本来のマドリーに戻すべく再びその姿を現した。彼が戻ってくることが発表された日、マドリディスタたちはうらぶられた存在から、祝福されるべき存在となったのだった。

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