2019.2.2 18:20

【ゼムノビッチが斬る!】アジア杯準優勝は大きな財産と確信 FW岡崎、DF昌子らで競争力を高めろ

【ゼムノビッチが斬る!】

アジア杯準優勝は大きな財産と確信 FW岡崎、DF昌子らで競争力を高めろ

特集:
昌子源
アジアカップ2019
試合に敗れがっくり肩を落とす森保一監督=ザイードスポーツシティスタジアム(撮影・蔵賢斗)

試合に敗れがっくり肩を落とす森保一監督=ザイードスポーツシティスタジアム(撮影・蔵賢斗)【拡大】

 1日のアジア杯決勝カタール戦は、1-3で日本が苦杯をなめた。大黒柱のFW大迫勇也(28)=ブレーメン=がカタール守備陣に封じ込められて不発。攻め手の少なさを露呈した。J1清水の元監督で、海外と日本のサッカーに精通するズドラヴコ・ゼムノビッチ氏(64)は、この敗戦が大きな財産になると前向きに捉える一方で、各ポジションの定位置争いの激化を求めた。

 結果は準優勝。アジア頂点まであと一歩が足りなかった。

 新しくチームをつくっていく上で、数多くの試合をこなし、試行錯誤する。もちろんその過程にはいい結果が出るときもあれば、思わしくない内容になるときもある。ただ、私は結果は残念だが、この負けは大きな財産になると確信している。順風満帆に進んでいるときほど、身近で起きているトラブルに気付かないもの。「なぜ及ばなかったのか」。監督、選手がそれぞれの課題、現実と向き合うことになる。

 敗因としては中盤からのアクションが悪かったことが挙げられる。失点はDF吉田麻也(30)=サウサンプトン=のミスによるものだが、中盤は試合をつくれなった。守備では相手への寄せが甘く、攻撃でも単調なアイデアしかなかった。相手が3バックなら、押し込んでいる時間はそれが5バックになる。中央、サイドとDFが固めているだけに、サイドチェンジを多用するなど、揺さぶりが必要。その起点になる選手がいなかった。

 さらに若い選手が多かったことで、先制点が精神的に影響した。足が重くなり、失点直後からパフォーマンスが低下した。今後チームづくりをしていく上で、このような状況でもチームを牽引(けんいん)できる精神的支柱が必要となってくる。

 大会を通じて気になったのがFWの選手層の薄さ。大迫勇也(28)=ブレーメン=だげが突出している。大迫に頼る現状を考えなければいけない。今後は、FW鈴木優磨(22)=鹿島=らを起用し、FWのポジション争いを活性化する必要がある。大迫が“不動”といわれているようでは、チームは成長しない。監督によっていろいろな考えがあるのは十分に承知しているが、鈴木ら若手、FW岡崎慎司(32)=レスター=らベテランを入れて、化学反応を起こさせるのも一つの方法だ。岡崎はまだ32歳。3年後はまた別として、現役では誰よりも得点を取っているのだから、周囲にとって刺激にもなる。

 チームは骨格を決める時期に入ってきている。センターラインを決めていく段階だ。センターバックは吉田や今大会活躍した若い冨安健洋(20)=シントトロイデン、さらにはW杯ロシア大会出場組のDF昌子源(26)=トゥールーズ=ら人材がいる。中盤、FWもそうだが、ポジション争いで競争力を高め、チームのベースをつくっていく。そのステップに入った。

 アジア制覇を目の前にして、それを成し遂げられなかった。成功を求めるのは当然だが、しかし、準優勝は決して不成功ではない。2007年の大会では、イビチャ・オシム監督(77)の日本代表は4位だった。誰が失敗と考えただろうか。今回の準優勝は、これからの日本代表の成功の糧となる。(元清水監督)

 ズドラヴコ・ゼムノビッチ (Zdravko Zemunovic) 1954年3月26日生まれ、64歳。ユーゴスラビア(現セルビア)出身。現役時代は国内リーグなどでプレー。引退後はオシム元日本代表監督が当時指揮を執っていたチームの2軍監督などを歴任し、95年に初来日。鳥栖(当時JFL)のコーチを経て2000年12月に清水の監督に就任した。VONDS市原(関東1部)の監督を経て、現在は千葉県協会テクニカルアドバイザーを務める。

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