2018.8.21 17:17

【サッカーコラム】海外で苦戦する井手口の手本は柴崎 ピッチ以外の異文化も大切

【サッカーコラム】

海外で苦戦する井手口の手本は柴崎 ピッチ以外の異文化も大切

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井手口陽介
柴崎岳
井手口陽介 

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 【No Ball,No Life】ワールドカップ(W杯)ロシア大会も終わり、熱闘を繰り広げた選手たちにとって、所属クラブでの新たな戦いが始まった。

 W杯戦士では、大会で出番のなかったDF遠藤航がベルギー1部のシントトロイデン、DF植田直通が同セルクル・ブリュージュへそれぞれ移籍し、成長の道を歩み始めた。すでに欧州でプレーする選手も新天地で活躍をみせており、大会で脚光を浴びたFW大迫勇也(ブレーメン)、MF乾貴士(ベティス)は新たな舞台で評価を上げている。

 その一方で苦戦を強いられている選手もいる。W杯のメンバーから外れたMF井手口陽介(リーズ)は、昨季はスペイン2部クルトゥラル・レオネサにレンタル移籍していたが、今季から移籍元のリーズに正式加入。だが、マルセロ・ビエルサ監督に「英語もスペイン語も理解していない」といわれ、現状では戦力とみなされていない。

 井手口はスペイン移籍の際に「言葉は分かりませんけれど、ノリでやっていきたい」と話していた。渡欧直後は仕方ないにしても、月日がたっている以上はある程度、話せるようにならなければならない。指導者の立場からしても、戦術を理解しているのか否かも分からない選手は起用しづらく、ビエルサ監督の考えも理解はできる。

 昨年1月に鹿島からスペイン2部のテネリフェへ移籍したMF柴崎岳(現ヘタフェ)も、渡欧時はコミュニケーションに苦慮し、不安障害を患った。それでも苦難を乗り越え結果を出した。井手口もこの状況を乗り越えてほしい。柴崎もそうだったが、渡欧する選手には「海外に行ってもすぐに成功する」という過信がある。自信があるからこそ挑戦するわけだが、ピッチ以外でも異文化に慣れなければいけない。それにも関わらず、海外での生活を安易に考えている選手が少なくない。

 記者も5年過ごしたスペイン時代には苦労したが、海外で生活するとなるとビザの申請や在留証明など、公的な手続きをするだけでも非常に大変だ。医療保険や住宅問題などを、自分たちでクリアしていかないといけない。サッカー選手はビザの申請や住宅の手配、公的な手続きなど、クラブ側や代理人が身の回りのことをやってくれ、自ら役所に赴き手続きを行うこともほとんどない。特別な存在であり、海外で生活する一般の日本人とは比較にならないほど、過保護な待遇を受けている。

 周囲の支えがあってサッカーに専念できる環境があるだけに、「コミュニケーションの問題」とはいつまでも言ってられない。そろそろ自立して、次ぎなる一歩を踏み出してほしいところだ。(一色伸裕)

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