2018.7.17 12:36

【サッカーコラム】W杯決勝でも勝敗左右したVAR スロー映像で見るほど一瞬のプレーが故意に見える

【サッカーコラム】

W杯決勝でも勝敗左右したVAR スロー映像で見るほど一瞬のプレーが故意に見える

特集:
No Ball, No Life
フランス対クロアチアの決勝戦前半、VAR判定を対象となったクロアチアのイバン・ペリシッチのハンド=ロシア・モスクワ(撮影・中井誠)

フランス対クロアチアの決勝戦前半、VAR判定を対象となったクロアチアのイバン・ペリシッチのハンド=ロシア・モスクワ(撮影・中井誠)【拡大】

 【No Ball,No Life】W杯ロシア大会はフランスの優勝で幕を閉じた。新たに導入されたビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の影響もあり、PKによる得点は過去最多の22点に(失敗は7)。決勝でも勝負の分かれ目になった前半38分のクロアチアの2失点目がPKだった。VARが介入しての微妙な判定で、MFペリシッチがハンドの反則を取られた。

 その場面を検証してしみたい。フランス側のCKでMFマチュイディがニアに走り込んで頭で合わせようとし、ペリシッチはそれを背後から追いかける形となった。2人とも両手を振り上げて反動をつけてジャンプ。しかし、マチュイディのヘディングは空振り。ボールは1メートル背後にいたペリシッチが着地時に下げた手にあたり、ゴールラインを割った。

 マチュイディは頭を抱えて悔しがり、主審は再びCKを指示したが、フランス側がペリシッチのハンドを主張。主審はVARで該当プレーをモニターで確認し、その結果、PKに覆った。

 この判定が世界中で物議を醸した。ハンドの判定基準は主に(1)故意か(2)不自然な位置に手を置いていないか(3)至近距離で避けられなかったか。今回の場合、ジャンプした手を下ろす動作に不自然さはない。競った相手の空振りは想定外で、1メートルの距離から飛んできたボールを避けるのは難しい。よって、ペリシッチに同情的な意見が多い。

 W杯開幕前にある日本人審判がVARの“問題点”について指摘していたが、スロー映像で見れば見るほど、一瞬のプレーが故意のように見えるという。確かに、今回のハンドも、最初に見たときは何が起きたのか分からないほど一瞬の出来事だったが、あとでスローで見れば見るほど、ペリシッチの下ろした手が、わざとボールに触れたように見えてくる。

 このやっかいな「視覚効果」にどう対処すればいいのか。手に当たっているのは事実であり、映像は全世界に白日の下にさらされる。

 それでも審判はキャリアの中で磨いてきた感覚を信じ、「故意ではない」といえる勇気があるのか。難しいところだ。

(浅井武)

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