2018.7.12 11:30

【乾坤一筆】サッカー西野監督に足りなかったのは「博才」!?

【乾坤一筆】

サッカー西野監督に足りなかったのは「博才」!?

特集:
ベテラン記者コラム・乾坤一筆
乾貴士
西野監督

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 深夜の列島を熱狂させた「サッカーW杯」。社会を震撼(しんかん)させた「オウム事件」の結末をみて、ひとかどの人物にさえ“アキレス腱(けん)”があることに、気づかされる。

 決勝トーナメント1回戦のベルギー戦で日本が2-0とリードした後半。24分に1点を返され、5分後には同点に追いつかれた。そして、試合終了間際の後半アディショナルタイムに決勝ゴール…。兼好法師は「徒然草」(126段)で博打(ばくち)についてこう見聞している。

 「『負けが込み、全てを賭けて博打を打とうとする者を相手にすべきではない。次はその相手が続けて勝つ機運になっていることに気がつかなければいけない。そういう引きどきを知っているのが、優れた博徒というものである』と、ある人がいっていた」。

 指揮を執っていた西野朗監督(63)は展開を読みながら3点目を狙った、という。きっと、「博才」とは無縁だったのだろう。

 逆に直感にたけた勝負師は邪気の無さを突かれた。オウム真理教による、サリン事件などの一連の犯行を首謀したとされる麻原彰晃元死刑囚(本名・松本智津夫)ら元幹部7人の死刑が執行されたが、不世出の連勝記録(69)を持つ大相撲の元横綱双葉山も新興宗教へ足を踏み入れ、警察に検挙されたことがある。

 いわゆる「璽光尊(じこうそん)事件」だ。戦時中に「璽宇(じう)」という新興宗教ができた。現役を引退して1年。元看護師でのちに璽光尊を名乗る女教祖に入れあげた双葉山(当時時津風親方)は昭和22年1月、協会本部を急襲した警察に対し、教祖の盾となり、防空頭巾姿で複数の警察官を相手に大暴れ。公務執行妨害で逮捕される。医師によると、教祖は「妄想性痴呆症」だった。執ような勧誘、奸計(かんけい)をめぐらせた女教祖の手に落ちた双葉山は「教養のなさ、学問のない悲しさ」を嘆いた。

 かくして…。凡人はこうしたことから学んでいくしかない。

奥村 展也(おくむら・のぶや)

 1993年入社、一般スポーツ、ボクシング、大相撲などを担当。格闘技班、運動部、みちのく版各デスクを経て編集委員。毎日が青息吐息の「4th Down ギャンブル」。綱渡りで前進の日々。

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