2018.7.6 05:00

【侍イレブン 夢の跡(中)】確かに根付いていたハリル前監督の“遺産”

【侍イレブン 夢の跡(中)】

確かに根付いていたハリル前監督の“遺産”

特集:
ハリル監督解任
日本のロシアW杯出場記録

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 日本史上初のW杯8強を目指したベルギー戦で、MF柴崎のスルーパスからMF原口が奪った先制点は「縦に速い攻撃」の典型だった。体格や速さで分の悪かったセネガルとの1次リーグ第2戦も、米スタッツ社の集計では球際の攻防で日本の勝率が51%とわずかに上回った。確かに根付いていたのは、ハリルホジッチ前監督の教えだった。

 方針を転換し、短期間でチーム再建を果たした西野監督だが「原口のゴールだったり、セネガルとの戦いであったり、前監督が求めていたものが自然と出ていた。否定ではなく、肯定、継承することだ」と、率直に前監督の指導の意義を認めている。監督交代で、ぶつ切りになったと思われた流れは一部分でつながっていた。ハリルホジッチ氏は「私の要求が高いのではない。W杯という舞台の要求が高いのだ」と強調していたが、その要求に少しは応えられたのかもしれない。

 ロシアでのベースキャンプ地も、前監督が決めたものだった。ロシア1部「ルビン・カザン」の施設で、天然芝3面とスタジアム、宿泊棟2つがある。スタッフからは「いかにも合宿所。ここにずっといるのか」と選択ミスを指摘する声が挙がっていた。これまで日本は選手のストレス軽減のため、ゴルフ場併設のホテルなど開放的な施設を選んできた。そのノウハウを前監督は聞き入れなかったという。

 だが、ルビンのスタッフはサッカーに携わるプロとして、献身的に代表チームを支えた。試合を終え、深夜にチャーター機で戻ってきても、24時間体制で疲労回復の食事やプールの準備をして待っていたという。一般の宿泊施設ではこうはいかないだろう。「完璧に把握している」が口癖だった前監督。クラブ施設を使う利点も、よく分かっていた。 (特別取材班)

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