後半、フェイントでDFをかわし、チーム2点目のゴールを決める横浜M・中村(中央)=日産スタジアム(撮影・吉澤良太)【拡大】
天皇杯全日本選手権準決勝(29日、横浜M2-0鳥栖、日産ス)93年のJ発足後、チーム初の決勝進出を目指した横浜Mが、準決勝で鳥栖と対戦。前半序盤は相手プレスに苦しめられた横浜Mだが、中盤以降盛り返し、0-0のまま前半終了。後半も一進一退の攻防が続いたが、41分にMF兵藤が先制ゴールを決めた。終了間際には中村がダメ押しの左足シュートで、2-0勝利。21年ぶりの決勝進出を果たした。
キックオフ直後は、鳥栖が鋭いプレスで中盤を支配。両サイドから早めにゴール前にパスを出すなど、積極的に攻めた。横浜Mは17分に、奈良輪がチーム初シュートもマウスを大きく外れた。20分には、斎藤が右足シュート。22分には左サイドから斎藤の折り返しを、中村が左足ミドルシュートを放ったが、バーを大きく越えた。
両チーム、決め手を欠き前半は0-0で終了した。横浜M・樋口監督は後半に向けて「相手のサイドの奥を攻めて行きたい」と話した。鳥栖のユン・ジョン・ファン監督は「後半は急ぎすぎないで、落ち着かせたい」と後半に目を向けた。
後半開始から、横浜Mは栗原に代えてファビオを投入。横浜Mは5分にエリア外のゴール中央でフリーでもらった斎藤が、ワントラップから右足シュートを放ったが、バーを越えた。10分には左サイドのドゥトラからの絶妙クロスがエリア内の藤田につながったが、左足シュートはヒットしなかった。
鳥栖は26分、池田に代えて水沼を投入。交代直後、味方ロングスローから、ゴール前の豊田が頭でつなぎ、水沼がファーストタッチでシュート。27分にも豊田がゴール前のこぼれ球を左足でシュートを放つなど、得点にはならなかったが攻勢を強めた。
横浜Mは34分、中村の左CKに藤田が頭で合わせたが、相手DFにボールをかき出されゴールならず。
鳥栖は37分、金に代えて金井をピッチに送った。
均衡を破ったのは横浜M。41分、斎藤がエリア付近を左から右にドリブルで突破し、右サイドの奈良輪にパス。シュートを打つと見せかけ、ゴール前の藤田に渡すと、藤田からの折り返しを走りこんできた兵藤が、豪快に押し込み先制した。終了間際には、中村がエリア外から自らドリブルで持ち込み、DF2人を交わして左足シュートを決め、2-0で勝利した。
横浜M・樋口監督の話「セカンドボールを拾うことを集中してやってくれた。何としてもタイトルを取って、このシーズンを締めくくりたい」
鳥栖・尹晶煥監督の話「ここまで来られていい経験になった。精神的に追い込まれ、落ち着きを失ってしまった」