超異例!永里優季、男子チーム『はやぶさイレブン』に期限付き移籍「通用すると思っている」

 
2015年W杯カナダ大会のオーストラリアとの準々決勝でシュートを放つ永里

 サッカーの元女子日本代表FW永里優季(33)が、米女子プロリーグ(NWSL)のレッドスターズから神奈川県2部リーグの男子チーム「はやぶさイレブン」に期限付き移籍すると、10日までに両クラブが発表した。長年、男子とのプレーに意欲を示してきた33歳は、神奈川・厚木市内のホテルで行われた入団会見で「チャレンジできることが楽しみ」と心境を語った。背番号は17。出場は登録の関係で10月以降となる。

 大きなチャレンジだ。2011年女子W杯ドイツ大会の優勝メンバーでもある元日本代表FW永里が男子選手とともにプレーすることを選んだ。

 「ずっと昔から、いつか男子のリーグでプレーしたいという思いがあった。いかにそのレベルに近づけるかというのを目標にしてやってきた」

 入団会見で異例の挑戦への思いを明かした。男子にまじってのプレーを具体的にイメージしたのは米国でプレーを始めた17年頃から。女子の地位向上などを訴える米国代表のFWラピノーからも刺激を受けた。「男性のチームに入って、女性も活躍できる」というメッセージを伝えたいという思いが強くなった。

 神奈川・厚木東高出身の永里にとってチームの本拠地である厚木市は生まれ故郷。この日の入団会見にはJ1湘南などでプレーし、現在は同チームに所属する兄でFWの源気(34)と、元女子日本代表で現在は同クラブのフットゴルフチームに所属する妹の亜紗乃(31)も出席。兄の源気とは試合で共演する可能性もある。

 神奈川県2部リーグはJ1から数えて8つめのカテゴリー。リーグの規約には女性の登録に関する記載はない。新型コロナウイルスの影響で延期となっていたリーグ戦は13日に開幕し、チームは20日に初戦を迎えるが、永里の出場は登録の関係で10月以降となるという。レッドスターズによると来年のNWSLのシーズン開幕に間に合うよう戻る。

 永里は「ポジショニングや駆け引き、激しいコンタクトを受けないプレーは海外で磨いてきた。通用すると思っている」と自信を口にした。女子選手による異例の挑戦が始まる。(山下幸志朗)

★川澄がエール

 異例の挑戦に周囲の反響も大きい。なでしこジャパンで長年ともにプレーしたFW川澄奈穂美(INAC)は自身のツイッターで「我らがナガちゃん! 破天荒な挑戦、応援するぞ!」とエール。女子の欧州チャンピオンズリーグの公式アカウントでも移籍が伝えられるなど、永里のチャレンジは世界的に取り上げられている。

はやぶさイレブン

 2019年創設。拠点は神奈川県厚木市。13年に同市初の総合型スポーツクラブとして設立された「SCDスポーツクラブ」が将来的なJリーグ参入を目指して創設したクラブ。神奈川県3部リーグからスタートし、今季から2部に昇格。チームには浦和などで活躍した元日本代表FW永井雄一郎らが所属する。

永里 優季(ながさと・ゆうき)

 1987(昭和62)年7月15日生まれ、33歳。神奈川・厚木市出身。中学時代から日テレでなでしこリーグに出場。2010年にポツダム(ドイツ)に移籍し、12-13年にはリーグ得点王。その後、チェルシー(イングランド)、ウォルフスブルク、フランクフルト(ともにドイツ)を経て、17年からレッドスターズ(米国)などでプレー。代表は04年にデビューし、五輪2度、W杯3度出場。代表通算132試合58得点。168センチ、60キロ。