浦和・オリベイラ監督の怒りは収まらない

サッカーコラム
浦和・ナバウトに対するラフプレーでレッドカードを受け、一発退場となった川崎GK鄭成龍(左)

 【No Ball,No Life】J1浦和のオズワルド・オリベイラ監督(67)の怒りは、3カ月以上たっても、まったく収まっていない。

 今季、浦和に加入した豪州代表FWアンドリュー・ナバウト(25)は、5月2日のJ1リーグ、川崎戦で右肩を脱臼した。後半25分、カウンターから敵陣を突破。センターラインを越え、ペナルティーエリアの直前付近で、前へ飛び出した川崎GK鄭成龍と激突した。その際、ナバウトは足を掛けられて右肩から地面にたたきつけられてしまった。鄭成龍は一発退場。このプレーでナバウトは負傷交代した。

 試合後、助っ人の長期戦線離脱が決まったことにオリベイラ監督がヒートアップ。チームだけでなく豪州代表にも影響しかねない負傷に怒りを爆発させた。鄭成龍は1試合の出場停止処分が見込まれたが、「ナバウトが復帰するまで、相手GKも試合に出さないようにしないと不公平だ」とJリーグに異例の注文まで付けたのだ。

 ナバウトの右肩脱臼は、その後に完治。6月のW杯ロシア大会に豪州代表として出場を果たした。だが、脱臼はクセになる。そのW杯でふたたび右肩を脱臼してしまったのだ。

 6月21日、1次リーグの第2戦のデンマーク戦に先発出場。だが後半28分、接触プレーで右肩を押さえて倒れ込んでしまった。ここで負傷交代した。その後の精密検査で、右肩脱臼の再発などが判明し、全治6カ月と診断された。

 結局、指揮官の要望は受け入れられず、鄭成龍は1試合の出場停止となった。だが、ナバウトが浦和に復帰し、ランニングなどを中心に別メニュー調整が始まった今、鬱積した怒りが再燃したようだった。

 8月24日。J1リーグの名古屋戦(豊田ス)を2日後に控えた会見での一幕だった。ナバウトの復帰時期についての質問が飛ぶと「豪州代表チームと連係を取りながら、今は、ここで回復に向けてトレーニングをしている」と指揮官。その後、顔をゆがめながら怒りを爆発させた。

 「川崎のGKは悪意のあるプレーだった。やっぱり、ナバウトが戻るまでこのGKも出場停止にするべきだった。そうでないと、このような臆病なプレーを誘発していく可能性がある」

 今季中の復帰は難しくなったナバウトは今、必死のリハビリで早期復活を目指している。

 浦和は、現在9位。8勝8敗8分の勝ち点32と波に乗れないでいる。その理由の一つが、ナバウトの長期離脱だ。ナバウト、ファブリシオ、興梠の強力“3トップ”が共演する日が待ち遠しい。(宇賀神隆)

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