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最強競歩ジャパン!川野、日本新Vで五輪決定「100点を自分に」

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競歩大国にまた一人、金メダル候補が誕生!! 川野が日本新で東京五輪代表を決めた  陸上・全日本50キロ競歩高畠大会(27日、山形・高畠町)男子は川野将虎(21)=東洋大=が今季世界最高タイムで優勝。日本陸連が定めた派遣設定記録(3時間45分0秒)を突破する3時間36分45秒の日本新記録で、2020年東京五輪代表に決まった。世界選手権金メダリストの鈴木雄介(31)=富士通=が保持した従来の日本記録を2分22秒も更新。男子20キロ競歩世界王者で鈴木とともに五輪代表に内定する山西利和(23)=愛知製鋼=にも負けじと競歩大国の主役に名乗りを上げた。

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 努力は裏切らない。こつこつ力を蓄えてきた川野が、五輪へと続く道を切り開いた。雨の山形でのレースを日本新で制した大学3年生は、初々しく笑った。

 「(日本新は)狙えるならと思っていたけど、予想外で驚いています。今日は100点を自分にあげてもいいかな」

 17キロ付近で早々に仕掛ける。1キロ4分近くまで一気にペースを上げ、2017年世界選手権5位の丸尾知司(27)=愛知製鋼=を置き去りにした。30キロ付近で追いつかれたのは想定内。脚にダメージを与える作戦だった。42キロすぎ、もう一度スパートをかけて勝負あり。したたかなレース運びで、世界王者の鈴木の日本記録を2分22秒も塗り替えた。

 小学生の頃、徒競走は最下位ばかり。2年生から5年生まで習った柔道では試合で一度も勝てなかったどころか、気弱な性格で相手を投げるのもためらった。競歩を始めたのは静岡・御殿場南高に入ってから。間もなく出場した地区大会では最下位から2番目の選手にも周回遅れにさせられた。

 父・公明さん(47)が「うちの子は努力の子」と言えば、「誰よりも長く練習していた」と母・由加理さん(47)。長距離選手だった中学時代は、倒れるまで走ったという練習の虫。高校時代は毎週末、御殿場の山道を30キロ歩いた。

 今はチームのフィジカル強化だけでは満足できず、トレーナーの下に出向く。腹斜筋など体幹を鍛え、背中が丸まる悪癖を改善。歩型が安定して効率良く骨盤を動かせるようになり、身長178センチから繰り出すストライドも生きるようになった。

 躍進を裏に、東洋大陸上部の酒井俊幸監督(43)の夫人で元競歩選手の瑞穂コーチ(42)の存在がある。昨春からコーチに就任。審判資格も持つ視点から川野らの歩型を指導し、この日のレースプランも授けた。「(川野は)スポンジのように吸収する」。東洋大では12年ロンドン大会の西塔拓己、16年リオデジャネイロ大会の松永大介に続く学生競歩のオリンピアン誕生を支えた。

 努力家の21歳は、今秋の世界陸上で戴冠を飾った鈴木や山西に並ぶ五輪の主役候補だ。「金メダルを第一目標にして、応援する方が感動するレースをできたら」。この先も変わらず、一歩一歩進む。 (鈴木智紘)

★川野 将虎(かわの・まさとら)という男

 ◆生まれ 1998(平成10)年10月23日、21歳。宮崎・日向市出身。

 ◆経歴 静岡・御殿場南高から東洋大。

 ◆成績 今年は3月の全日本競歩能美大会の20キロで日本歴代3位の1時間17分24秒で2位。4月の日本選手権50キロ競歩で2位。7月のユニバーシアードの20キロ競歩で2位。

 ◆スポーツ少年 小学2年から5年まで柔道を習い、中学では卓球部と駅伝部を両立。

 ◆競歩を始めたきっかけ 高校でも長距離を続けるつもりで、入学まもない地区大会で5000メートル出場を希望したものの、競歩を専門とした顧問が5000メートル競歩にエントリー。

 ◆名前の由来 父・公明さんが戦国武将好きで、寅年にちなんで「景虎」とつける考えもあったが、姓名判断の結果などから「将虎」に。

 ◆目標の選手 2015年世界選手権銅メダルの谷井孝行。

 ◆好きなアイドル 乃木坂46の秋元真夏。

 ◆性格 不器用。努力家。

 ◆サイズ 178センチ、62キロ。

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