萩野、東京五輪ピンチ…池江に続き日本選手権欠場、金メダリストが衝撃告白/競泳 - SANSPO.COM(サンスポ)

試合
速報

萩野、東京五輪ピンチ…池江に続き日本選手権欠場、金メダリストが衝撃告白/競泳

更新

2018年ジャカルタ・アジア大会の競泳男子200メートル個人メドレーで2位に終わった萩野。五輪王者の表情はさえなかった   2016年リオデジャネイロ五輪競泳男子400メートル個人メドレー金メダルの萩野公介(24)=ブリヂストン=が15日、世界選手権(7月、韓国・光州)の代表選考を兼ねる4月の日本選手権(2-8日、東京辰巳国際水泳場)を欠場すると発表した。原因不明の不振にあえぐ日本男子のエースは「今は競技に正面から向き合える気持ちではない」などと衝撃告白。2連覇の懸かる東京五輪出場に、暗雲が垂れ込めた。

<< 下に続く >>

 競泳ニッポンの男子エースで、2020年東京五輪金メダル候補である萩野が重大な決断を下した。世界選手権の代表選考を兼ねて行われる日本選手権を欠場する。マネジメント会社を通じ、率直に胸の内を明かした。

 「『こうありたい』という理想と現実の結果の差が少しずつ開いていき、モチベーションを保つことがきつくなっていきました」

 優勝すれば、東京五輪代表に決まる7月の世界選手権も、出場の可能性がほぼなくなった。白血病を公表した女子のエース、池江璃花子(18)=ルネサンス=も日本選手権を欠場する。東京五輪でメダル量産が期待される日本の競泳陣は、男女のエースが五輪開催前年の日本選手権を回避する異常事態に陥った。

 萩野は近年、故障や体調不良に悩まされたが、今季は順調に練習を積んでもレースで記録が出なかった。直近のレースだった2月16日のコナミオープン(千葉県国際総合水泳場)は、400メートル個人メドレー予選で4分23秒66を要した。うつろな目で茫然(ぼうぜん)と引き揚げ、決勝を棄権。金メダルを獲得したリオ五輪で出した日本記録の4分6秒05から大きく遅れるどころか、自身が持つ中学記録よりも7秒以上遅いタイムだった。24歳のスイマーは「今は競技に正面から向き合える気持ちではないことを受け入れ、今回の決断にいたりました」と仕切り直しを選択した。

 この日、萩野が参加を取りやめていたスペインでの高地合宿から帰国した平井伯昌コーチ(55)は、レースになると教え子が「別人になる」と明かした。練習は質、量とも世界でも群を抜くレベルをこなしているのに、実戦で硬くなり実力を発揮できない。2月中旬に受けた検査では身体面での異常はなかった。原因不明のイップスのような症状による大不振は悪化の一途をたどる。

 東京五輪への道筋が見えない状況に「今は立ち止まって自分を見つめ直すことが必要。危機的な状況だが、どうプラスに変えられるか話し合って解決策を考えたい」と平井コーチ。男子の大黒柱は恩師とともに復活への道を探る。20年4月の日本選手権で、通常は派遣標準記録を突破して2位以内に入ることで与えられる切符をつかみ、3大会連続の五輪出場を目指す。萩野は「今回を機に、自分の心ともう一度しっかり向き合いたい」と再起を誓った。確かな実力を再び開花させるときを待ち、今は下へ下へと根を伸ばす。

★池江の現状

 2月12日に白血病を公表した池江は、競技を離れて治療に専念している。詳しい病状などは明らかにされていない。今月13日に更新した自身のツイッターでは、東京五輪について「まだまだ諦めないぞ」と、出場への思いをつづっていた。

★イップス

 精神的な原因などによりスポーツの動作に支障をきたし、突然自分の思い通りのプレーや意識ができなくなる症状のこと。元来ゴルフの分野で使われる用語で、練習場では何でもないパットやショットがコースに出ると突然、恐怖感など精神的理由によって手が動かなくなる症状などがある。最近ではスポーツ全般で使われるようになっている。

萩野 公介(はぎの・こうすけ)

 1994(平成6)年8月15日生まれ、24歳。栃木・小山市出身。栃木・作新学院高3年だった2012年ロンドン五輪400個混で銅。13年は日本選手権で史上初の5冠に輝き、世界選手権の2種目で銀。16年リオデジャネイロ五輪では400個混金、200個混銀、800継銅。17年の東洋大卒業後はプロ選手としてブリヂストンに所属。18年8月のジャカルタ・アジア大会では800継で金メダルを獲得した。177センチ、71キロ。

PR