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日本勢単初!大坂が四大大会V、憧れセリーナをストレート撃破/全米テニス

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大坂が日本テニス界の歴史を塗り替えた。力強いプレーで、セリーナを圧倒した(共同)  テニス・全米オープン第13日(8日、ニューヨーク)日本テニス史上初の快挙達成!! 女子単決勝で大坂なおみ(20)=日清食品=が、憧れだった元世界ランキング1位のセリーナ・ウィリアムズ(36)=米国=に6-2、6-4で勝ち、初制覇を果たした。四大大会単では男女を通じて日本勢初Vとなり、優勝賞金380万ドル(約4億2180万円)を手にした。日本選手が1916年に初めて四大大会に挑戦してから102年。ついに夢を実現した。

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 快挙をたたえる手拍子とブーイングの嵐が交錯する。異様な雰囲気が漂った全米のフィナーレで、大坂はセリーナと抱き合った。単では日本勢初の四大大会制覇。競技を始めた3歳の頃から憧れる絶対女王の胸で、歴史に名を刻んだ挑戦者が涙に暮れた。

 「みんな彼女(セリーナ)のことを応援していたと思う。こんな終わり方をしてすみません。試合を見てくれてありがとう」

 約2万4000人の観客が地元・米国のスターを後押し。圧倒的なアウェーでも、日本のエースは落ち着いていた。

 「セリーナはスロースターター。出だしは積極的にいく。走らないといけない覚悟はできていた」。第1セットは軽快に動いて返球。第1サーブには時速30キロもの差をつけて揺さぶり、昨年9月の出産後で体力に不安を抱える難敵の打ち急ぐミスを誘った。

 第2セット。第4ゲームでブレークを許すも、続く第5ゲームでブレークバック。大坂の粘り強いプレーに、女王のいらだちは頂点に達した。ラケットをコートにたたきつけ、主審に暴言を吐く。第7ゲーム終了時の暴言が3度目の警告となり、大坂は第8ゲームを戦わずに奪った。度重なる中断に激しいブーイング。荒れた展開でも途切れなかった集中力が、快挙を手繰り寄せた。

 日本の四大大会単初制覇への挑戦は、102年前までさかのぼる。四大大会初参戦は、全米オープンの前身の1916年全米選手権。男子の熊谷一弥は2回戦、三神八四郎は1回戦で敗退した。その後、全仏、全豪、ウィンブルドン4強の佐藤次郎、全豪4強の沢松和子、全米以外の全ての四大大会4強の伊達公子、ウィンブルドン8強の松岡修造、全米準優勝の錦織圭らが四大大会の王座に挑んできた。大坂は日本勢の夢でもあった四大大会制覇を、わずか11度目の出場で成し遂げた。

 金字塔を打ち立てても、試合後の大坂はありのままだった。夜のお祝いの予定を問われれば、「社交性のある人間じゃない。ビデオゲームはやるかも」。ハイチ出身で米国人の父の姓(フランソワ)でなく、母方の姓を名乗る理由を聞かれれば、「大阪で生まれた人の名字はみんな『オオサカ』なの」。お決まりのジョークで笑いを誘った。

 大会後の世界ランキングで自己最高7位に上昇し、日本女子では1995年11月に伊達公子がマークした4位に次ぐ歴代2位となる。日米の国籍を持つ大坂は母・環(たまき)さんの生まれ故郷の日本代表として、2年後には大好きな東京での五輪が待ち受ける。「まだ実際に起きたこととは思えない。何日かたてば実感すると思う。一歩ずつ進んでいきたい」。新たな歴史をつくった日本のエースはまだ20歳。しばらくは夢見心地でいる。

自身の公式サイトでコメントした元プロ選手の松岡修造氏「なおみさんにとって夢の舞台(全米オープン)で、夢の選手(セレナ)を制し、夢を達成した! まさにDreams Come True!」

★3歳で米移住、15歳でプロに

 ハイチ出身で米国人の父・レオナルドさんと日本人の母・環(たまき)さんとの間に生を受けた大坂は、3歳でラケットを握った。出身は大阪市中央区。自宅近くの靱(うつぼ)テニスセンターで、現在はプロ選手の姉・まりとともに競技経験のない父の手ほどきを受けた。

 3歳で米国に移住し、ニューヨークで暮らした。専門のクラブやアカデミーで育つ選手が大半だが、大坂は全米の会場に隣接する金銭のかからない公営コートをかつての練習場とした。

 8歳で拠点をフロリダへ。大坂姉妹は国際連盟主催の世界ジュニアツアーには出場せず、あえて一般の試合に出て腕を磨いた。ジュニアではなく、シニアの試合で経験を積んだ米国のウィリアムズ姉妹が手本だった。

 2013年に15歳でプロ転向。16年には男子の錦織と同じ日清食品と所属契約を結んだ。今年3月のBNPパリバ・オープンでツアー初優勝を飾り、その後のマイアミ・オープンで初対決したセリーナを撃破。自身11度目の四大大会となった全米で、ついに頂点に立った。

★テニスの四大大会

 全豪オープン(メルボルン)、全仏オープン(パリ)、ウィンブルドン(ロンドン)、全米オープン(ニューヨーク)と伝統ある4つの大会を指す。参加選手数や賞金額も最大規模。現在は全仏が赤土のクレー、ウィンブルドンが芝、全豪と全米がハードと、コートが違いプレーの特徴も異なる。女子複では外国人選手とのペアで、1975年に沢松和子がウィンブルドンを制覇。杉山愛も3度(00年全米、03年全仏、同年ウィンブルドン)優勝している。四大大会すべてを制することを「グランドスラム」と呼ぶ。

大坂 なおみ(おおさか・なおみ)

 ◆生まれ 1997(平成9)年10月16日生まれ、20歳。大阪市出身。米フロリダ州在住。日清食品所属。

 ◆経歴 姉の影響で、3歳から競技を始める。2013年9月にプロ転向。16年の全豪オープン予選を突破して四大大会に初出場し、3回戦進出。同年、日本勢初となるWTAツアー最優秀新人賞を受賞。今年3月のBNPパリバ・オープンでツアー初優勝。

 ◆ビッグサーバー 身長1メートル80の長身から時速200キロ超のサーブを繰り出す。

 ◆プレースタイル 右利き。バックハンドは両手打ち。

 ◆憧れの選手 セリーナ・ウィリアムズ(米国)。

 ◆好きなスポーツ テニスとバスケットボール。

 ◆好きな食べ物 うなぎ、焼き肉、すし。

 ◆好きな歌手 ビヨンセ(米国)。

 ◆好きな街 東京で特に原宿。

 ◆お気に入り 携帯電話とヘッドホン。理由は「音楽をたくさん聴くから」。

 ◆家族 ハイチ出身で米国人の父・レオナルドさん、根室市出身の母・環(たまき)さん、テニス選手の姉・まり。

 ◆国籍 日本と米国の二重国籍。日本の住民票の住所は札幌市という。

 ◆あだ名 なおち。

 ◆サイズ 1メートル80、69キロ。

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