【池田純 S-Businessの法則】チャンスは“緩さ”にあり!シアトルで見た米スポーツ界の今 - SANSPO.COM(サンスポ)

試合
速報

【池田純 S-Businessの法則】チャンスは“緩さ”にあり!シアトルで見た米スポーツ界の今

更新

マリナーズワイン  先日、米大リーグ・マリナーズの本拠地、シアトルのセーフコ・フィールドを訪問しました。4歳の息子が「野球を見たい」と言い出し「それなら本場に」と家族で出かけたのです。

<< 下に続く >>

 今回改めて感じたのが、徹底的に楽しませようとするエンターテインメントとしての“環境”の充実度です。まず、飲食。定番のマリナーズ・ドッグ、チーズステーキサンドに炒飯まで。クラフトビールも種類が豊富で、ボトルで買えるワインは容器がまた格好良い。目当てだったクラムチャウダーに行き着かないほどでした。

 ショップには子供向けのユニホームやTシャツが並び、「私を野球に連れてって」の大合唱や音楽に乗せて花火が上がる「ファイアワークス・ナイト」など、食べて、買って、楽しんで…。3時間半、ほとんど野球を見ていなかったくらい、楽しめる“環境”がたくさん用意されていました。

 その街が、翌日にはメジャーリーグサッカー(MLS)のサンダース一色になるから驚きます。マイクロソフトの共同創業者で、プロフットボール(NFL)のシーホークスも持つポール・アレン氏が個人オーナーとしてエンターテインメント性を突き詰め、野球とNFLの街にサッカーも根付かせています。

 そこに見たのは「覚悟」と対照的な「緩さ」です。例えば日本でJリーグの会場に行くと、必死に応援する姿が目立つ一方で、“にわか”のファンがフラッと観戦できる「緩さ」はあまりなく、「覚悟」が要るように思います。

 子供の野球離れの問題も同じです。理由があれば休める、親への強要もない「緩い」少年野球チームを友人がつくったところ、申し込みが殺到したといいます。「覚悟」が要るスポーツは、選ばれにくい時代なのです。

 わが家にはバット、テニスのラケット、バスケットゴールなど、あらゆるスポーツの用具を置いています。“環境”を与えれば、あとは自分で選んでくれる。初めてのメジャー観戦がよほど楽しかったのか、帰国後の息子は毎日、ティーバッティングに夢中です。

 「覚悟」から「緩さ」へ-。やるべきことは“環境”の整備。強要の時代は、もはや終焉(しゅうえん)しました。そんな時代の変化を知ることも、スポーツの裾野を広げ、スポーツビジネスを成功に導く“法則”の一つといえるでしょう。

池田 純(いけだ・じゅん)

 1976(昭和51)年1月23日生まれ、42歳。横浜市出身。早大商学部を卒業後、住友商事、博報堂などを経て2007年にディー・エヌ・エーに執行役員として参画。11年12月にプロ野球DeNAの初代球団社長に就任、16年10月に退任した。現在はスポーツ庁参与、明大学長特任補佐、Jリーグアドバイザー、さいたま市スポーツアドバイザー、大戸屋社外取締役などを務める。

ランキング

PR