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【池田純 S-Businessの法則】「信頼のエネルギー」こそ次世代型組織づくりの肝!

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西野朗監督  サッカー日本代表がベルギーに敗れ、ロシアでの戦いを終えました。W杯初出場から20年。最後は世界3位の底力に屈しましたが、明らかに世界は近くなりました。その中で、特に印象に残ったのが、試合直後の西野監督の言葉です。

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 「(チームを)激変させたいと思っていた」

 大会2カ月前の監督交代には否定的でしたが、西野監督がチームを激変させるために示した姿は、組織論において、いい教訓になります。

 組織で、まず何より大切なのは「リーダー」です。日本では旧来、高圧的で全てを統率したがる人が、その地位にしがみつく傾向があります。

 しかし、組織論的に西野監督は、まさしく「次世代型リーダー」。全てをコントロールしたいという自身の欲求より、選手を信頼して任せることで心の距離を縮め、個々の力が発揮されやすい環境をつくり出していたように思います。

 「リーダー」は毀誉褒貶(きよほうへん)の世界。組織を劇的に変えるのは本当に大変であり、全てを統率して安心を得たくなります。ただ、合理性のない表面的な権威を振りかざしても、誰もついてきてくれません。

 象徴的だったのは、西野監督が試合中、自ら選手に水のボトルを手渡していた光景です。本来はスタッフの仕事。「旧来型リーダー」なら決してやらない行動でしょう。ただ、「リーダー」を上下関係ではなく、自分にしかできないことを率先して体現する「役割」と考えれば、偉ぶることなく「これも大切なコミュニケーション」という発想に転換できます。

 それは、自由奔放主義というチープな世界とも違います。私はプロ野球DeNAの社長時代、野球の競技自体にはタッチせず、現場に任せました。一方で人事、データを扱うシステムの構築など経営側が得意な領域には大いに関わりました。環境を整え、道と方針を示した上で、自ら考えさせ選択させる。そうすることで、組織にモチベーションが生まれます。

 今の若い世代に「責任を取るのはオレ。だから言うことを聞け」では無理。日大アメフット部の問題も同じです。企業も「旧来型」では有望な若手社員が辞め、イノベーションは起こりません。

 今回、短期間で一定の結果を出した西野監督には勝手ながら謝辞を贈らせていただきます。「信頼のエネルギー」こそ次世代型の組織づくりの肝だと、改めて学ばせてもらったように思います。

池田 純(いけだ・じゅん)

 1976(昭和51)年1月23日生まれ、42歳。横浜市出身。早大商学部を卒業後、住友商事、博報堂などを経て2007年にディー・エヌ・エーに執行役員として参画。11年12月にプロ野球DeNAの初代球団社長に就任、16年10月に退任した。現在はスポーツ庁参与、明大学長特任補佐、Jリーグアドバイザー、さいたま市スポーツアドバイザー、大戸屋社外取締役などを務める。

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