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ユベントスの歴代第2GKから見た守護神ジャンルイジ・ブッフォンとは…

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ユベントスの歴代第2GKから見た守護神ジャンルイジ・ブッフォンとは…

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 “今もバリバリ現役を続けるレジェンド”

 この言葉こそGKジャンルイジ・ブッフォンを表す言葉かもしれない。彼はただの背番号1でなければ、ただの男でもない。毎年、春を迎えるごとに彼の伝説性は増していくのだ。“スーペル・ジジ”ことブッフォンは、これまでのゴールキーパーのイメージを変え、そしてその歴史を書き換えた。彼は天賦の才能に加え、努力、献身性、自己犠牲をも惜しまない人物である。これこそが、彼が史上最強のGKと言われるほどに進化を遂げた所以であろう。

 おそらく、GKのポジションを目指すイタリアの少年たちは皆、変わらずに彼を目標とするだろう。ブッフォンは、自身の鋼鉄の体でゴールの1センチの隙間すら守り抜く覚悟を持った最高級の選手なのだ。それに彼はゴール前における先駆者として、これまでGKでは難しいと思われていたリーダーシップや自身のカリスマ性も発揮して見せた。批判にさらされる時でも率先してチームメートを鼓舞し、絶望的でほとんど不可能に近い時でもチームを勝利に導いたのだ。競技レベルのことであれ、人間レベルのことであれ、あきらめなければ夢は叶うことを彼は自らの背中で示したと言えよう。

 所属するユベントスやイタリア代表において、ブッフォンは常に“越えられない壁”として立ちはだかり、成功を収めた。その証拠に、彼はこれまでにほとんどのタイトルを獲得している。しかし昨年、衝撃的にもイタリア代表がロシア・ワールドカップ出場権を逃したことで、とてつもない失望感を味わうこととなった。ピッチで絶望にさいなまれ、涙する姿は誰もが忘れることはできない。しかし同時に飾ることすらしない彼の姿は、“偉大な選手の中の偉大な選手”であることを確信へと変えさせた。

 最初にブッフォンを見た第2GKは何を思った?

 「彼がトリノへやって来た時、最初にユベントスで彼の第2GKを務めたのが私だよ」

 そうミケランジェロ・ランプッラは話す。

 「彼は若くしてすでにカンピオーネとして認められていたけど、私は当時40歳で、自分のキャリアの終着点に差し掛かっていたんだ。でも、彼とはすぐに素晴らしい関係を築くことができたね。ジジは優れた人物だし、誠実で明るい性格なんだ。二人の間で恨みなどは生まれなかったし、それどころか厚い絆で結ばれていたよ。同じ部屋だったしね」

 そう言ってミケランジェロは、ブッフォンとのあるエピソードを話してくれた。

 「ユベントスがセリエBにいた2006-07シーズン、私は(ディディエ)デシャン監督のスタッフとして、GKのトレーナーを務めていたんだ。とても不思議なことだったよね。ジジは世界王者になったばかりだったのに、その頃は2部でプレーしていたんだから。シーズンを折り返して少し経った頃だったかな。ユーヴェのセリエA復帰がほぼ確実になったとき、僕はジジと将来について語り合ったんだ。私は彼に対してこう言ったよ。『もしユベントスに残ったら、“レジェンド”としてユベントスの歴史に残る名手になれるだろう』ってね。それがまさに現実になったんだ」

 Michelangelo Rampulla

 その後、何年か経っても二人の関係はこれまでと変わることはなかったと話す。

 「私がGKコーチとしてチームに戻った時は、組織の中での役割上、当然、何かしら変わることはあったけど、フィーリングはいつも合っていたんだ」

 そんなミケランジェロに、あえてブッフォンに足りないものを尋ねるとこう答えが返ってきた。

 「6度目のワールドカップ出場かな。彼はそのピッチに立つのに相応しい選手だったから残念に思うよ。あと足りないのはチャンピオンズリーグかな。彼の信じられないような獲得タイトル一覧に、今年こそ、このタイトルが加わってほしいね」

 「第2GKとの違いを気にしない」

 エマヌエレ・ベラルディも第2GKを務めた一人だ。彼もミケランジェロと似通った思いを抱いている。

 「私がトリノへやって来た時、ジジと出会った時の印象は非常に良かったね。彼は模範的な青年で、ジョークが好きだし、楽観的なタイプなんだ。忙しいと思うけど、今でも私のためにいつでも時間を割いてくれる。彼はカンピオーネを極めた選手だが、私のような第2GKとの違いを気にすることは決してなかった」

 Belardi Juventus 2006-07

 そして「ぜひ紹介したい」という逸話を教えてくれた。

 「セリエBでプレーしていたシーズン、僕たちはビデオを山ほど見ていたんだ。するとデシャン監督とブッフォンが来て、選手についてあれこれ聞かれたよ。例えば出場時間が少なかったり、知名度が低い選手は誰かといったことをね。私にはセリエBでの経験があったので、次々と選手の特徴を伝えることができた。するとそこで名前を挙げた選手たちは、次々に試合に起用され始めたんだよ」

 それでは、彼が思うブッフォンに足りないものは何なのか。

 「ブッフォンに何が足りないか? チャンピオンズリーグだと答えるのではつまらないかな。まだ今シーズンに勝てるチャンスもあるわけで、私も心から祈っているしね。私の答はバロンドールだね。ジジのような選手は、この賞に値すると思う。彼は史上最強のGKだよ。ゴールマウスを守る(リオネル)メッシやクリスティアーノ・ロナウドのような存在だ。彼は正真正銘の偉大な選手さ」

 Alexander Manninger FC Augsburg 14052016

 「絶対的な模範」

 2008年から2012年にかけて、イタリア代表のカンピオーネの控えを務めたのはアレクサンダー・マニンガーだった。

 「ジジは最高の男だよ。私がユベントスへやって来た時、とても歓迎してくれてすぐに特別な関係が築けたんだ」

 アレクサンダーは、開口一番こう話す。

 「私はトリノで4年間過ごしたけど、ブッフォンのおかげもあって最高の経験を積むことができたんだ。GKとしての彼は、私がこれ以上言う必要もあるまい。素晴らしい選手だし、GKを志す少年たちにとって確かな目標だ」

 そしてこう続ける。

 「つまり彼が絶対的な模範なんだ。彼と敵として対戦した時でさえも、遠くから動きを観察して分析していたくらいだからね。要するに、その頃から彼を尊敬していたってことさ。僕がユベントスへ移籍してブッフォンと同じチームになったときは、毎日の練習で彼を観察できる幸運に恵まれたって思ったね。そして、そこでさらに彼の偉大さに気づいたよ。GKのポジションについて、本当に彼から多くを学んだんだ」

 さらにアレクサンダーは誇らしそうに明かしてくれた。

 「ロッカールームにおいては、彼は常に真のリーダーとしての存在感があったね。チームメート全員を鼓舞することもあれば、時には厳しい言葉を投げかけることもあった。チームが改善していけるように大きな刺激を与えていたんだよ。僕たちはみんなほぼ同世代だったし、一瞬でお互いを理解できた。自分のサッカーキャリアにおいて、まさに本物の英雄と共に4年間を過ごしたことは私の誇りだよ」

 現役引退も示唆していたブッフォンであるが、まだまだ彼から学びたい選手は山ほどいるに違いない。そして求められている限りは、ブッフォンもそんな彼らに自身の偉大を引き続き示してくれるだろう。(Goal.com)

 文=ロメオ・アグレスティ/Romeo Agresti

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