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【ラグビーコラム】帝京大・岩出雅之監督は王者陥落も“人生の勝者”を社会に送り出す

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天理大との試合後、敗戦に涙を流すフィフティーンをねぎらう帝京大の岩出監督(左)  【ノーサイドの精神】ラグビーの大学選手権は、今週末の12日に天理大-明大の決勝戦が行われる。2日に行われた準決勝では、王者・帝京大が天理大に7-29と完敗。平成最後のシーズンに、10季ぶりに大学王座を明け渡した。

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 大学日本一のタイトルを9シーズン守り続けた平成の最強軍団。岩出雅之監督(60)は、多くの名選手を日本ラグビー界に輩出してきたが、名もなき“勝者”を社会に送り出すことにも心血を注いできた。

 「ラグビーだけで生きていける選手もいるが、それはほんの一握り。ほとんどの部員たちは、ラグビー以外の人生で勝者になってほしい」

 数年前、練習が終わった日野市の帝京大グラウンドで語った、岩出監督の選手への思いが忘れられない。無敵の帝京大ラグビー部だが、卒業生の多くは1人の社会人として人生を歩んでゆく。そこで大切なのは、常勝軍団という肩書ではなく、職場で信頼され、仲間から愛される人間であることだと、指揮官は知っている。

 だからこそ、どんなに強くてもおごらず、謙虚な人間であることを部員全員に求めてきた。才能に恵まれた選手も、そうではない選手も、決して手を抜かず、黙々とプレーを続けるのが帝京大のスタイルだ。勝負へのこだわりも人一倍の指揮官だが、日体大卒業後は、長らく高校教諭を務め、いまも大学教授という教育者ならではの思いがある。

 今季の早すぎるノーサイドの笛は吹かれた。来季は王座奪還という挑戦が始まる。だが岩出監督の“人生の勝者”を育て、社会に送り出す、もう一つの挑戦にノーサイドはない。

吉田 宏(よしだ・ひろし)

「吉田 宏」イメージ画像 元号が平成に変わった年に入社して、1995年ラグビーW杯後から、サッカー、野球担当を挟みながら現担当。“軟式ラグビー(自称)”出身で、こちらも自称の江戸川キャップ2を誇る。99年W杯の報道陣による南北半球決戦・プレスマッチで、なぜか南半球の一員で世界制覇を果たして現役を引退してからは、書き手専門で楕円(だえん)球を追う毎日。

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