ジョセフ日本8強へ吉田義人氏がW杯A組ライバル国の現況を分析! - SANSPO.COM(サンスポ)

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ジョセフ日本8強へ吉田義人氏がW杯A組ライバル国の現況を分析!

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相手守備を切り裂き突進するストックデール(中央)。オールブラックスを破ったアイルランドは、日本にとって大きな壁だ (ロイター)  来年9月20日開幕のラグビーW杯日本大会まで、24日であと300日となった。今月はテストマッチ期間で、世界各地で強豪同士の熱戦が繰り広げられている。W杯で日本と同じ1次リーグA組のアイルランドやスコットランド、3連覇を狙うニュージーランドなど強豪国の情勢は? サンケイスポーツラグビー評論でおなじみ元日本代表WTB吉田義人氏(49)の分析もまじえ、「開幕1年前の現状」をお伝えする。

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★アイルランド「優勝候補に躍り出た」

 17日のダブリン・アビバスタジアム。世界1位のニュージーランド(NZ)をホームに迎えたのは同2位で、W杯では日本の最大の強敵となるアイルランド。この“頂上対決”を、アイルランドは16-9で制した。世界最強の黒衣軍をノートライに抑え、初対戦から113年で初めてホームで勝つ快挙を遂げた。

 吉田「現代の最先端のラグビーにプラスして、魂がこもるというのがアイルランド。力強いFWがよく動く。あのNZのディフェンスでさえ食い込まれた。W杯優勝候補の一、二番手に躍り出たといってもいい」

 大黒柱のSOセクストンが巧みにボールを動かし、精度の高いキックパスを交えてゲームをつくる。プレースキッカーとしても高い成功率を誇っている。2メートル10のLOトナーは空中戦だけではなく、フィールドプレーでも力を発揮する。

 後半7分、絶妙のチップキックを自ら拾って両チーム唯一のトライをあげたWTBストックデールはまだ22歳で、この試合が14キャップ目。昨年6月の来日メンバーで、日本との2戦目に出場している。1メートル91、103キロの大型選手は今年一気にブレーク。5戦全勝で優勝した欧州6カ国対抗では5試合で7トライを奪い、大会最優秀選手に選ばれた。

 吉田「最も危険な選手はやはりセクストン。ゲームの流れを支配するプレー選択、人の使い方など頭の良さが際立つ。彼だけを止めようというのは無理。セクストンを慌てさせるには、強力FWを前に出させないようにして機能させなくすることが必要だが、それもなかなか難しい」

 今月はイタリアに快勝し、アルゼンチンにも接戦をしぶとく制して3連勝。24日は力の劣る米国相手で、4連勝でテストマッチ月間を終えることは確実だ。そんな相手に日本はどう戦うべきか。

 吉田「前半、自陣からでも思い切って仕掛けること。失う物は何もないと開き直ることも大事。ただ、地域を取るためのキックは必要なので、逆襲を食らわないディフェンスの整備は絶対条件。よく動く相手に運動量で負けないために、“世界一のスタミナ”を養成することも大前提となる」

 W杯での激突は来年9月28日、静岡スタジアムで。ジェイミー・ジャパンは世界を驚かすことができるか。

アイルランド

 協会創立1879年。W杯はベスト8どまりだが、最新世界ランキングは2位。緑のジャージーにはケルト民族の誇りが詰まり、世界的には決して大きくないサイズで、体を張ったプレーを繰り広げる。2013年にNZ出身のジョー・シュミット監督(53)が就任して急速に力をつけた。NZには16年11月に米シカゴで初勝利をあげ、今回はそれ以来の2勝目。昨年6月には12年ぶりに来日し、日本代表に2連勝した。

★スコットランド「現実的にはこちらがターゲット」

 スコットランドはメンバーを落とした布陣でウェールズに敗れた後、フィジーには完勝。南アフリカには3度追いつくしぶとさを発揮したが、6点差で惜敗した。

 吉田「アイルランドと比べ、オーソドックスな組み立て方をするので戦いやすい。現実的にはこちらを8強進出のターゲットとすべきだ」

 戦いやすさを具体的に挙げてもらった。

 吉田「SHレイドローを中心に、スクラムやラインアウトを起点にシンプルな攻めをする。攻撃のテンポはさほど速くなく、BKラインは深めなので守りやすい。ディフェンスでもギャップ(個々の守備の間のずれ)ができるので、日本のアタックならそこを突いてトライまで持っていける」

 要警戒なのがFBスチュワート・ホッグ(26)だ。

 吉田「足が速くて敏捷(びんしょう)で、松島幸太朗(サントリー)をさらに切れ味鋭くしたような感じ。彼にスペースを与えてはいけない」

 日本とは1次リーグ最終戦の10月13日に日産スタジアムで激突。8強が懸かる大一番になることは必至だ。

スコットランド

 協会創立1873年。世界ランキング7位。1989年5月、日本が初めて英4協会の代表を破ったときの相手で、W杯でも91、2003、15年と3度当たるなど、日本との縁は深い。W杯最高位は91年の4位。スコットランド代表キャップ82を持つグレガー・タウンゼント監督(45)が昨年6月に就任。堅実で泥臭く戦う伝統を守る。SHレイドローはプレースキックも巧みな闘将。FBホッグは16年6カ国対抗の最優秀選手。

★他の注目チームは

 ▼NZ 10月に日本で行われたブレディスロー杯で豪州を破り、日本、イングランドを撃破したが、アイルランドにはトライを奪えずに敗れた。24日にイタリアと戦って帰国。

 ▼南アフリカ イングランドに1点差で惜敗した後、フランス、スコットランド戦では接戦をものにした。すべて敵地ということを考えればまずまずの出来。24日には好調なウェールズと激突する。

 ▼豪州 ウェールズとはPG合戦の末に6-9のロースコアで黒星。24日のイングランド戦で真価を発揮することができるか。

 ▼イングランド 勝った南アフリカ戦、敗れたNZ戦はいずれも1点差。日本にも前半は苦戦した。地元で豪州相手に納得できる勝利をあげたいところだ。

 ▼サモア 最近、なかなか勝てない欧州で米国とジョージアに敗れた。W杯出場を逃したスペインを相手に、持ち前のパワフルさを見せられるか。

 ▼ロシア 地元でナミビアを破ったが、16日にはウェールズのクラブ、ドラゴンズに24-38で敗れた。

★伝説のトライ

 第1回W杯は1987年、ニュージーランド(NZ)と豪州の共催。開幕戦のNZ-イタリアで“伝説”が生まれた。

 後半30分。イタリアの深いキックオフをNZのSOフォックスがキャッチし、ゴールライン近くのWTBカーワンへとつなぐ。1メートル92、92キロの巨体が自陣から敵陣を切り裂き、90メートルを駆け抜ける鮮烈なトライを奪った。

 NZを優勝に導いたカーワンは、同僚WTBグリーンとともに6トライを挙げてトライ王にも輝いた。2007、11年大会ではヘッドコーチとして日本を率いた。

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