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【ラグビーコラム】“持ってる男”藤田、代表ボーダーラインも本領発揮の大舞台が待つ

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パナソニック・藤田慶和  【ノーサイドの精神】藤田慶和の季節がやってきた。9月に25歳となった若武者が、ラグビー日本代表で最年少デビューを果たしたのが2012年5月のUAE(アラブ首長国連邦)戦。いきなり6トライを量産する衝撃デビューから6年がたった。日本が歴史的な躍進をみせた15年W杯にも出場した藤田だが、ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(48)の就任後は、代表に定住できず、今月1日の代表メンバー発表でも落選。代表入りのボーダーラインを“さまよう”苦戦が続いている。

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 課題は防御と試合出場時間だ。所属先のパナソニックは、BKに現代表のWTB福岡堅樹(26)ら好素材が集まる。攻撃では才能を輝かせる藤田だが、防御面の不安定さから所属チームでの出場時間が限られている。

 公式戦で実績をみせられない影響もあるのだろう。昨秋の代表入りも逃した藤田だったが、サプライズの復帰を果たした。昨季も日本代表と対戦した世界選抜に招集されると、持ち前の豪快なストライドとスピードで、日本代表を相手に2トライをマーク。直後の欧州遠征に追加招集で滑り込んだ。

 高校ラグビーの名門、東福岡高では1年から注目された。高校2年のときには、現在、国内最高のFBといわれる松島幸太朗(25)=サントリー=の神奈川・桐蔭学園と高校日本一を分け合い、互いに未来の日本代表の中心選手としての可能性を印象づけた。

 代表デビュー戦のときに、原稿を書きながら心の中でつぶやいた言葉を、いまも覚えている。

 「持ってるなぁ」

 その言葉を裏付けるように、W杯イングランド大会でも出場。バリバリの主力ではなく、経験値を積んで19年大会へ成長してほしい世代だったが、唯一出場した米国との最終戦に先発すると、モールでトライをマークした。通常、モールならFWの選手がトライを奪うのだが、藤田は密集戦に入り込み、相手インゴールに飛び込んだのだ。

 昨秋も“持ってる男”ぶりを発揮した藤田だが、代表メンバーが宮崎合宿中の20日に行われたパナソニック-キヤノンに先発。後半2分には、今季キヤノン入りしたニュージーランド代表のスーパースター、FBイズラエル・ダグ(30)を抜き去る華麗なトライを披露した。

 藤田が大好きなポジションはFBだ。ボールを持ったときに、広いスペースを使え、プレーの自由度が高いのが特徴だ。そのFBは、日本代表では松島が参加を辞退する中で、野口竜司(23)=パナソニック=も20日に負傷離脱。その時点で藤田の追加招集はなかったが、今後の選手のコンディション次第では、もう1枚FB、WTBが必要になる可能性もある。

 日本代表の今秋のテストマッチは、世界王者オールブラックス戦(11月3日、横浜・日産スタジアム)、イングランドの聖地・トゥイッケナムで挑むイングランド戦(同17日)、そして来年のW杯日本大会開幕戦の相手ロシア戦(同24日、グロスター)。大舞台好きの藤田には、願ってもないカードが続く。“持ってる男”が本領を発揮するおぜん立ては整っている。

吉田 宏(よしだ・ひろし)

「吉田 宏」イメージ画像 元号が平成に変わった年に入社して、1995年ラグビーW杯後から、サッカー、野球担当を挟みながら現担当。“軟式ラグビー(自称)”出身で、こちらも自称の江戸川キャップ2を誇る。99年W杯の報道陣による南北半球決戦・プレスマッチで、なぜか南半球の一員で世界制覇を果たして現役を引退してからは、書き手専門で楕円(だえん)球を追う毎日。

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