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【ラグビーコラム】日本代表のSOが気がかり、けがで調整中の小野に期待

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突進するサントリー・小野晃征  【ノーサイドの精神】ラグビーの世界ランキング1位に君臨するニュージーランド、同4位のイングランドと11月に対戦する日本代表が1日に発表された。W杯日本大会開幕まで1年を切り、選ばれた35人は、夢の舞台へ1歩前進したといえるだろう。

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 その中で気がかりなのが、SOのセレクションだ。チームの司令塔として攻撃の起点となり、試合を組み立てるのがSOの主な役割。勝敗の鍵を握るポジションだ。

 今回SOで選出されたのは田村優(29)=キヤノン=と松田力也(24)=パナソニック=の2人。春シーズンから変化はない。南アフリカを倒し、3勝を挙げた2015年W杯にも出場した田村は、大会後も代表、サンウルブズ(スーパーラグビー)と経験を積み、名実ともに日本を代表する10番に成長。松田も、帝京大でSOとしてチームをリードした実績を持つ。

 これまでの起用方法をみても、主力SOは田村、若手の松田を控えで投入して経験値を上げていくのが基本路線だ。だが、帝京大時代はSOとして目を見張るほどの活躍をみせた松田は、パナソニックではCTBに専念。SOに近い役割のポジションとはいえ、日本代表がW杯でめざすのは世界のトップ8。このレベルでの司令塔としての経験は、まだ十分ではない。

 コンタクトスポーツでもあるラグビーは、どんなポジションの選手でも、いつ大けがを負うかはわからない。経験豊富な田村だが、万が一、W杯期間中に大きなけがに見舞われたときは、若い松田に大きな責任がのしかかることになる。

 その一方で、来年のW杯までに日本代表入りする資格と実績を持つSOは限られている。ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC、48)が、田村、松田の2人で準備を進めても不思議ではない。W杯開幕まで1年を切って、他のポジション以上に経験値が求められるSOを何人も起用することのリスクもある。

 それでも贅沢をいえば、SOで高い経験と実力を持つ選手がもう1人ほしい。多くのファンが代表での活躍を待望する山沢拓也(24)=パナソニック=は、TLでも天性の攻撃センスを輝かせる。そして、6月のけがから復活をめざしているのが小野晃征(31)=サントリー=だ。

 ニュージーランドで育ち、07年大会でW杯デビューした小野は、前回の15年大会で司令塔として日本代表をリードした。首の手術やけがなどの不安材料があり、16年のスコットランド戦以降代表を離れているが、SOに欠かせない視野の広さ、そして的確な判断力は円熟味を増している。

 ジョセフHCの選考をみると、過去に実績があっても実戦でプレーしていない選手の代表入りは少ない。現在は公式戦出場へ向けて調整中の小野も、大きなハンデを背負う。残されたチャンスは少ないが、挑戦の機会を与える価値のあるゲームメーカーの完全復活に期待したい。

吉田 宏(よしだ・ひろし)

「吉田 宏」イメージ画像 元号が平成に変わった年に入社して、1995年ラグビーW杯後から、サッカー、野球担当を挟みながら現担当。“軟式ラグビー(自称)”出身で、こちらも自称の江戸川キャップ2を誇る。99年W杯の報道陣による南北半球決戦・プレスマッチで、なぜか南半球の一員で世界制覇を果たして現役を引退してからは、書き手専門で楕円(だえん)球を追う毎日。

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