【ラグビーコラム】W杯開催まで1年、大会会場へ祈りたいことあり - SANSPO.COM(サンスポ)

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【ラグビーコラム】W杯開催まで1年、大会会場へ祈りたいことあり

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 【ノーサイドの精神】日本で開催されるラグビーW杯まで、9月20日で、あと1年となる。先週末からは各地で大会盛り上げのためのイベントが行われるなど、開催への機運も高まってきた。その一方で、残念に思われる要素もある。

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 これまでも機会があれば指摘してきたのが、大会会場についてだ。全国12会場で行われる日本大会だが、ラグビー(球技)専用スタジアムは6会場。残る6会場は、野球・球技兼用の札幌ドームと陸上競技場だ。

 W杯を日本で開催する大きな理由は、ラグビーのさらなる普及、つまり人気拡大だ。個人的には、現在の国内人気をさらに高めてから開催するべきだと思うのだが、それでもラグビー界が最も期待する部分なのは間違いない。

 9月16日に東京・千代田区の丸ビルで行われたイベントで、コピーライターの糸井重里さんが、自らを「にわかファン」と語っていた。この“にわか”こそ、W杯成功の大きなキーポイントだろう。にわかファンをどこまで増やし、すでににわかの人たちを、何人コアファンにできるか-。これこそ、組織委員会、日本協会が挑戦するべきものだろう。

 では、あまたのスポーツの中でラグビーの魅力は何だろう。ノーサイドの精神や華麗なトライなどさまざまな要素がある。その中で、生身の体による激突は大きな魅力の1つに他ならない。

 野球やサッカーは、ピッチから離れた観客席からの観戦も楽しめる要素がある。もちろんラグビーにも、陣形や戦術を見るためにグラウンドを広く、俯瞰で眺める楽しみ方もある。だが、新たなファンを獲得するには、やはり激しい激突や肉弾戦を、臨場感を持てる距離で観戦してもらうことが、他の競技にはない大きな訴求材料になる。

 すでに確定している試合会場に文句をつけても意味がないのは十分承知しているが、それでも悔やまれる。決勝の地、日産スタジアムは座席数では世界に誇れる競技場だ。もちろんスタジアムに罪はない。だが、ピッチ付近に立つと、メーンスタンドと芝生のピッチ部分までは、大坂なおみがテニスの試合をできるほどの広大なスペースが横たわっている。

 “先に立たない”話はもうやめよう。後悔してもしようがない。現状で祈るべきことが1つだけある。陸上競技場の5会場に希望するのは、陸上トラック部分を使った仮設スタンドの設置だ。W杯開幕まで1年と迫る現時点で、仮設スタンド設置を決めた陸上競技場会場は1つもない。

吉田 宏(よしだ・ひろし)

「吉田 宏」イメージ画像 元号が平成に変わった年に入社して、1995年ラグビーW杯後から、サッカー、野球担当を挟みながら現担当。“軟式ラグビー(自称)”出身で、こちらも自称の江戸川キャップ2を誇る。99年W杯の報道陣による南北半球決戦・プレスマッチで、なぜか南半球の一員で世界制覇を果たして現役を引退してからは、書き手専門で楕円(だえん)球を追う毎日。

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