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【ラグビーコラム】日大アメフット悪質タックル、もしラグビーで起きたら?

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 【ノーサイドの精神】日大アメリカンフットボール部の悪質タックル事件は、被害届も提出されるなど社会問題に発展している。この反則がラグビーで起きたらどうなるか、知り合いの複数のレフェリーと話し合ってみた。

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 アメリカンフットボールの試合は通常7人の審判で運営される。あのプレーは、オフェンスサイドの後方にいるレフェリー(最終決定権を持つ主審)が判定。タックル直後に反則があったことを示すイエローフラッグが投げ込まれた。

 しかし、レフェリーが1人で判定するラグビーだったら、「たとえばSHがBKラインにパスを出した後とすると、あれだけ遅れて(パスの約4秒後)のタックルだと、すでに視点をボールを追う方に移してしまっている。ベンチにいる指導者や選手、周囲の観客には見えても、肝心のレフェリーは何が起きたのか分からないだろう」という結論に達した。周囲のざわめきや怒声などで「何かがあったのかな」と思うかもしれないが、プレーがどんどん進行していればそれさえも気づかない可能性は十分にある。

 ビッグゲームならビデオ判定のテレビマッチオフィシャル(TMO)にかけて確認することはできるが、それは国際試合や日本協会主催など、ごくごく限られた試合だ。アシスタントレフェリー(AR=レフェリー資格を持つ者がタッチジャッジを務める)がいる場合は補佐を期待できる。だが練習試合などで資格のないチーム関係者がタッチジャッジだったときなど、ルール上ではアドバイスを求めることもできない。そうなると、レフェリーはなかなか事態を把握できないのではないか。そんな意見が多かった。

 「まずチームメートがアピールするだろう。タックルされた本人が激高して、相手に報復することもあるかもしれない。海外なら乱闘になっているかも。おそらく、タックルを受けた側の指導者もレフェリーのところにすっ飛んできて、そこでレフェリーも重大なことが起きたという認識を持つことになると思う。今はチームや保護者らが動画を撮っていることも多いので、それが“証拠”として提示され、ようやく何があったのか正確に分かるだろう」

 だいたい、こんな流れになるのではないかという。

 一様に指摘するのは、あのタックルは誰も想像できないプレーで、それだけに意図を感じさせる犯罪的行為だということだ。ラグビーの公式戦で起きたら、タックルした選手は一発レッドカード(退場処分)。裁定委員会にかけられ最低でも5~6試合、場合によればもっと長期の出場停止は免れないだろう。日大アメフット部の監督が辞意を表明したように、指導者の責任問題も問われそうだ。

 余談だが、日大ラグビー部はこの事件で、ラグビーとアメフットを混同され、“風評被害”にあっているという。日大ラグビー部とアメリカンフットボール部は、違う競技をやっている全く別の組織です。どうか、みなさまには誤解のなきようお願いしたい。

田中 浩(たなか・ひろし)

「田中 浩」イメージ画像1983年入社。ラグビーブーム全盛期に担当を約10年、その後デジタルメディア、ボクシング担当、アマ野球担当などを経て2008年から運動部一般スポーツ担当デスクを務め、14年秋に二十数年ぶりにラグビー取材の現場に復帰。秩父宮ラグビー場でトライ(高校都大会決勝)と東京ドームでヒット(スポーツ紙対抗野球)の両方を経験したのがプチ自慢の57歳。

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