【ラグビーコラム】苦戦続きのサンウルブズ 今はメンバー固定より日本代表強化が優先だ - SANSPO.COM(サンスポ)

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【ラグビーコラム】苦戦続きのサンウルブズ 今はメンバー固定より日本代表強化が優先だ

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試合に敗れて肩を落とすサンウルブズフィフティーン  【ノーサイドの精神】世界最高峰ともいわれるスーパーラグビー(SR)に参戦する日本チーム、サンウルブズが16日、ニュージーランド遠征へ出発した。7日にブルース(ニュージーランド)に敗れて、開幕から7連敗。日本代表も率いるジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(48)の就任で、ファン、関係者の期待も高まる中での苦戦続きに厳しい声も聞こえる。

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 日本代表の強化を目的に、昨季まで以上に代表選手がサンウルブズに参加する中で、結果を出せない要因の一つは防御の悪さだ。9節を終えてサンウルブズの総失点294は、SR15チーム中最下位。タックル成功率82・9%は7位ながら、防御を簡単に突破され、少ない攻撃回数での失点が目立つ。個々のタックルミスもあるが、密集戦の防御に人数をかけてしまうことで、外側にスペースを与えてしまう場面が多い。

 サンウルブズの強みだった攻撃面でも、ブルース戦ではわずか1トライに終わった。攻守に精彩を欠いていると指摘されてもしようがないのだが、メンバーを固定して戦えないことの影響は少なくはない。

 SR開幕前の国内公式戦や、SR期間中の負傷に加えて、選手の疲労を加味しながら、順次試合を休ませていることが、メンバーを固定できない理由だ。試合ごとにメンバーが入れ替わることで、日本チームの強みでもあるコンビネーション、プレーの精度で、選手間に微妙なズレが生じている。そのため、攻撃を継続しても簡単なミスでチャンスをつぶしてしまう場面が多い。

 当然ながら、メンバーを固定して戦うべきという声もある。だが、日本代表の強化と、サンウルブズとしてSRで戦い結果を出すという2つのミッションは、すべてが合致するものではない。

 どちらを最優先するべきかは、各人の立ち位置で異なる。個人的にはサンウルブズの勝利より代表強化を優先したい。南半球のトップ選手が集まるSRの実戦でかかる負荷を考えながら、6月の代表戦にベストコンディションで臨めることが重要だ。

 ラグビーチームを作り上げる作業は、狩猟よりも農業に似ていると思うときがある。土地を耕し、苗を植えて、雨風や日照りをしのぎながら実りの時を待つ。「もう収穫があって当然だ」というご意見もあるだろうが、いまは6月の代表戦、そして2019年で、どのような花を咲かせ、実を結ぶのかを見守りたい。

吉田 宏(よしだ・ひろし)

「吉田 宏」イメージ画像 元号が平成に変わった年に入社して、1995年ラグビーW杯後から、サッカー、野球担当を挟みながら現担当。“軟式ラグビー(自称)”出身で、こちらも自称の江戸川キャップ2を誇る。99年W杯の報道陣による南北半球決戦・プレスマッチで、なぜか南半球の一員で世界制覇を果たして現役を引退してからは、書き手専門で楕円(だえん)球を追う毎日。

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