夏にピッタリな青春映画「青夏」/週末エンタメ - SANSPO.COM(サンスポ)

試合
速報

夏にピッタリな青春映画「青夏」/週末エンタメ

更新

映画「青夏 きみに恋した30日」で高校生の恋愛をさわやかに演じた葵わかなと佐野勇斗(C)2018映画「青夏」製作委員会  「青夏」(あおなつ)-。“青春よりも、もっと青くて熱い”という意味らしい。そんなタイトルにひかれ、8月1日公開の映画「青夏 きみに恋した30日」(古澤健監督)を見た。

<< 下に続く >>

 夏休みを田舎で過ごすことになった都会育ちの女子高生と、そこで出会った地元の男子高生の、ひと夏の恋を描いた青春ラブストーリー。

 女子高生役は、NHK連続テレビ小説「わろてんか」の好演が記憶に新しい葵わかな(20)。相手となる不器用な男子高生は、4人組ボーカルダンスユニット、M!LKのメンバーで、近年ドラマや映画でも活躍する佐野勇斗(はやと、20)が演じている。

 原作は漫画家、南波あつこさんの少女漫画。物語自体は、ベタすぎると思うほどベタな展開だ。

 運命の出会いを信じる女子高生が田舎で出会った男子高生に恋心を抱く。だが、誤解から険悪なムードに。すぐに誤解は解けて急接近するが、2人の間に立ちはだかる“壁”。そして、ほかの男性からの告白…。いまどきのドキドキする急展開や設定を求めている人からすれば、物足りなく感じるかもしれない。

 だが、実際の恋とは、こんな感じなのではないだろうか。ドラマチックなことなんて、そうそうは起こらない。単純なことで一喜一憂する。そして、さまざまなことを学び、成長していく。

 物語は、淡々と進んでいく。ものすごく胸キュンする、号泣するという展開ではないかもしれない。だが、そこには、ある種のリアルがある。多かれ少なかれ、「あ、こんな瞬間あったな」という青春時代を思い起こさせてくれるはずだ。

 葵と佐野は、2015年の映画「くちびるに歌を」でも共演。同世代に加えて同じ所属事務所でもあり、劇中では息ピッタリ。とくに「わろてんか」の撮影を通して大きく成長した葵の、繊細な演技は必見だ。

 そして、もう一つ。この作品を語るのに欠かせないのが映像美。映画は豊かな自然が残る三重・南伊勢町を中心に撮影。田舎の風景が、とても美しく表現されている。

 日本有数の透明度を誇る川の遊び場として有名な魚飛渓(うおとびけい)で撮影されたBBQシーン。そのどこまでも青く見える川は、日本にまだこんなところが残っているんだと思わせる。

 そんな川にバシャーンと飛び込む高校生たち。りんごあめ、金魚すくいなどの屋台が並ぶ夏祭りで浴衣ではしゃぐ若者。そして花火、一面に広がるひまわり畑…。どこか懐かしさも感じる「田舎の夏休み」を切り取った“夏限定の恋”に、胸が熱くなる。

 青春よりも熱い夏-。いま忙しない毎日に追われる観客それぞれが、かつての青春時代を思い返し、どこか懐かしい気持ちになるだろう。なによりも、これからそうした夏を過ごすであろう中学生、高校生たちに見てほしい作品だ。(古田 貴士)

ランキング

PR