最悪な一日から最高の一日に まぁ、これも人生さ!仏映画「セラヴィ!」/週末エンタメ - SANSPO.COM(サンスポ)

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最悪な一日から最高の一日に まぁ、これも人生さ!仏映画「セラヴィ!」/週末エンタメ

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映画『セラヴィ!』  世界的に知られるフランス語「セラヴィ!」。まぁ、これも人生さ!という意味を持つ名言がタイトルになった仏映画「セラヴィ!」。

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 フランスのエンタメ界を代表する名優たちが集結した笑いあり、涙ありのコメディー映画で、30年間数え切れない挙式をプロデュースしてきた初老のウエディングプランナー、マックスが主人公だ。

 妻と愛人の間で疲弊し、そろそろ仕事からの引退も考えはじめていたころ、マックスの元に17世紀の城が会場となる豪華絢爛な結婚式の依頼が舞い込む。完璧な式を演出しようとボスとして“タクト”を振るうが、すてきなハーモニーを一緒にかなでてくれるはずのスタッフはなんと全員ポンコツ。

 給仕担当の変わり者な義弟は、新婦につきまとってしまうし、プランナーの助手を務める女性と超ワンマンなバンドマンは顔を合わせればののしりあい、やる気ゼロのカメラマンも結婚式の食事をつまみ食いばかりする。相当ヤバい面々は、期待どおり? 次々と大失敗を起こし、式の演出にこだわりすぎる高飛車な新郎も、指示を通り越して主人公にクレームばかり入れてくる…。

 まさに頭を抱える仲間たちだが、実はボスである主人公も気むずかしくて頑固で、口うるさいクセ者だった。

 観客として無心で楽しむなら、アクシデントの連続はほほえましく楽しいが、ボスの気持ちで見るなら、ちゃんとやってくれないスタッフは腹立たしさを通り越し、卒倒しそうな勢い。一方、スタッフの目で見れば、神経質でいつも沸騰直前のボスは、うるさくてかなわない、と仕事を投げ出したい気分になる。

 結婚式を舞台に描いた“人間模様”は、どの世界にもある社会の縮図で、どちらの立場に立っても「あるある」とうなずきたくなる場面が満載だ。

 “なんて最低なメンバーなんだ!”とキレてしまう主人公だが、「俺はどの結婚式も人生をかけているんだ」と爆発する姿は、コメディーから一転、胸を熱くさせられる。

 そして、台無しになってしまったはずの結婚式が、クライマックスで「まぁ、これも人生さ!」とつぶやきたくなる結末が訪れる。犬猿の仲だったプランナーの助手とバンドマンの関係はどうなるのか、やる気のなかったカメラマンが選んだ生き方とは…。何より主人公はプランナーを引退するのか!? たった一夜で運命が変わるかもしれない登場人物たちの“セラヴィ!=まぁ、これも人生さ”は、いろいろあるけど、明日も頑張ってみようかな、と心に灯りがともるような優しい名作だ。(大塚美奈)

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