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【科学特捜隊】意外と知らない視聴率の実態

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年間視聴率NO・1番組の変遷  視聴率は社会的に大きな関心事の一つ。テレビ各局は日々、その数字に一喜一憂し、広告スポンサーや視聴者にとっても番組に対する指標となっている。視聴率調査をビデオリサーチが始めて今年で55年。同じく東京発刊55周年を迎えたサンケイスポーツの特別企画「科学特捜隊」では、意外と知らない視聴率の実態に数字を通じて迫る。 (取材構成・森岡真一郎)

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 国内で唯一調査を実施するビデオリサーチ(以下VR社)によると、視聴率とは人口全体の何割が見た-ではなく何割の世帯が見たかを示す世帯視聴率を指す。テレビを持つ推定1857万世帯を抱える関東地区では、約2万分の1にあたる900世帯をVR社が秘密裏にピックアップし、測定器を置かせてもらって調査している。

 同地区の歴代年間視聴率1位番組はNHK紅白歌合戦が圧倒的に多い。調査を開始した翌年の1963年には驚異の81・4%を記録した。しかし、半世紀以上たった昨年は半数以下の39・4%だった。

 理由の一つは録画で見る人が多くなったこと。VR社は同地区で2016年10月から、放送7日(168時間)内に録画で見た世帯数を調べるタイムシフト視聴率(以下TS)を発表している。

 通常の視聴率とTSを足し、リアルタイムと録画の両方で見た重複世帯を除いた数字をVR社では総合視聴率(以下総合)と呼ぶ。これが実態に近い数字といえる。昨年の年間1位、紅白の視聴率は39・4%だったが、TSは4・3%、総合は42・0%だった。

 今年元日から4月1日までのTS視聴率のトップは、嵐の松本潤(34)が主演したTBSドラマ「99・9刑事専門弁護士SEASONII」で、14・9%も取った。

 リアルタイムよりも録画の視聴率が大きく上回った番組もあった。同7位にランクした深田恭子(35)主演のフジテレビドラマ「隣の家族は青く見える」。視聴率は4・6%だったが、TSはその1・7倍にあたる7・8%。総合では11・9%と2桁に乗っていた。

 録画はCMを飛ばされる可能性が高いが全てがそうとは言い切れず、関係者によると最近ではテレビ各局もTSを含めた視聴率をCM獲得の提示材料にしているという。

 背景には、30%を超える番組が極端に少なくなり、テレビ界や広告業界が視聴者動向をよりきめ細かく調べる必要が出てきたからといえる。

★テレビ離れ進んでいない

 テレビ離れが進んでいるとされるが、こんな数字も。NHK放送文化研究所が昨年11月の1週間、全国7歳以上の男女を対象に実施した個人視聴率調査がある。それによると、地上波と衛星放送を合わせた視聴時間(録画を除く)は週末も含めた週平均で1日3時間42分だった。

 2007年11月の調査は1日3時間53分。10年でマイナス11分と微減にとどまっている。関係者の1人は「一概にテレビ離れが進んでいるとはいえない。まだまだ魅力ある最大の娯楽。それは今も昔も変わりはない」と分析している。

★調査対象世帯は無作為に選出

 VR社は調査対象世帯をどう決め、どのように視聴率を調べているのか。記者の自宅も10年ほど前、VR社員の訪問で候補に挙がっていたことが分かったが、メディアや広告関係者のいる世帯は視聴率が偏る可能性があるため、結果的に選からもれた。

 同社によると、統計に偏りが出ないよう無作為に選んだ上で訪問日時を指定したはがきを送り、協力を依頼。世帯主と面会して測定器を設置する。その際「一切口外しない」とする秘密厳守の契約を結ぶ。返礼としてVR社から謝礼(金額は非公開)が支払われる。

 1世帯につき期間は2年間。加齢などにより視聴番組に偏りが出てくることを避けるため、毎月約40世帯を入れ替え、2年間で全ての対象世帯を入れ替える。

 テレビに設置された測定器(以前はビデオデッキ形だったが現在は非公表)が、センサーでどの放送局かを判別し計測。毎分視聴率の合計を番組の放送分数で割って番組視聴率を出している。

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