【50歳オッサン記者 新人猟師日記(10)】狩猟現場の実態は? 登録のための費用、高齢化… - SANSPO.COM(サンスポ)

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【50歳オッサン記者 新人猟師日記(10)】狩猟現場の実態は? 登録のための費用、高齢化…

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猟友会に加入すると配布される狩猟ベストと帽子。手前は狩猟者登録証  約3週間のプロ野球キャンプ取材から一時帰京すると、1通のはがきが来ていた。「狩猟者登録証および猟銃用火薬類無許可譲受票返納のお知らせ」。日本は一部地域を除き11月15日から2月15日が猟期。終了すると、30日以内に前出の書類を返さないといけない。

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 必須ではないが、ハンターは基本的に居住地域の「猟友会」に加盟する。誤射などに対応する保険に加入するほか、狩猟には不可欠な「登録証」を代行して申請してもらえるメリットがある。登録は都道府県ごとに必要で、猟に出る場合は記章を付け登録証を携行しないといけない。

 よく聞かれるのは「費用はどのくらいかかるの?」という話だ。登録証の申請は火薬を使う銃の第1種が1万6500円、空気銃のみは5500円、網猟・わな猟は8200円。ちなみに1都道府県ごとの登録のため、1種で千葉県と茨城県に登録すれば1万6500円×2、わな猟もやるハンターはプラス8200円かかる。これに保険、猟友会費などもあって1種で1県だけでも3万円は覚悟する。

 シカやイノシシの農業被害は全国で約200億円といわれる。大日本猟友会の統計資料によると、1975年に51万7754人だった狩猟免許所持者(第1種、2種、網・わな計)は、2014年には19万3762人に激減。所管の環境省はハンターを増やすため、この狩猟税の軽減や廃止を求めているようだが、政府の反応は鈍い。

 ハンターを増やせば被害が減るかは不明だ。費用だけでなく、高齢化も課題にある。参加させてもらっているグループは60代以上が中心で、大先輩は「10年後には誰もいなくなる」とこぼす。

 新聞記者は他人の話を聞いただけで知ったかぶりする悪癖がある。自分で経験して初めて知ることがあまりに多い。現場でしか知り得なかった実態は、いずれこのコラムで書こうと思う。

 ところで、最後の出猟から約1カ月。獲れなくてもあの高揚感が頭をよぎる。帰京後、お世話になっている東京都内の銃砲店で雑談をしていると、キャンプで訪れていた沖縄・石垣島の話になった。

 「うちのお客さん、石垣で駆除をやってるよ」

 「えっ!? そうなんですか。西表島でイノシシ見ました。来年やってみたいなぁ…」

 「島も最近は交配がすすんじゃってるみたい。イノシシは石垣島から泳いで渡るらしいよ」

 「すごい…」

 知らないことばかりで勉強になる。それにしても完全な“猟ロス”に陥ってしまったらしい。(不定期掲載)

芳賀 宏(はが・ひろし)

 1991年入社。オウム事件、警視庁捜査一課からプロ野球のベイスターズ、ヤクルト、NPB、2003年ラグビーW杯、06年サッカーW杯を担当した“何でも屋”。サンスポ、夕刊フジ、産経新聞で運動部デスクを務め、2016年夏から振り出しに戻って、一兵卒。同年に第1種狩猟免許取得。

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