【甘口辛口】3000万円程度に抑えていれば続いたであろうマラソンの特別報奨金 鈴木健吾は偉業達成もあまりに不運 - SANSPO.COM(サンスポ)

【甘口辛口】3000万円程度に抑えていれば続いたであろうマラソンの特別報奨金 鈴木健吾は偉業達成もあまりに不運

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 ■3月2日 いま話題のリモート観光の先駆けか。「びわ湖毎日マラソン」は風光明媚(めいび)な琵琶湖畔の景観もテレビ観戦の楽しみだった。来年から大阪マラソンと統合されるため最後となった今回も出場選手の顔ぶれを見てレースより、『瀬田の唐橋』『石山寺』といった近江八景の見納めでいい退屈しのぎになりそうだった。

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 ところが…。163センチと小柄な鈴木健吾(25)=富士通=の36キロ過ぎからの猛スパート。「日本記録を大幅に上回るペース」と興奮気味の実況に見方も一変した。「こんな選手がいたのか」と驚く間もなく2時間4分56秒の日本新でのゴール。42キロ強を走ったとは思えぬケロリとしたインタビューも爽やかだった。

 豊富な練習量に裏打ちされた日本新。神奈川大時代の合宿では朝昼夕と2時間近く走り、食事の時間にも帰ってこなかったとか。一時、箱根駅伝経験者は大学での“燃え尽き症候群”が指摘されたが、東京五輪代表の中村匠吾、服部勇馬、大迫傑はいずれも箱根で鳴らした。鈴木も然り。箱根はマラソンの登竜門に変わった。

 日本実業団陸上連合はマラソン日本新で1億円の報奨金制度を2015年に創設し、設楽悠太や大迫の獲得で資金が底を尽き昨年3月で終了した。とはいえアフリカ勢、アフリカにルーツを持つ選手以外では初の04分台の偉業を達成しながら鈴木はあまりにも不運だ。

 他の競技とのバランスを考えたら1億円は大盤振る舞いが過ぎた。3000万円程度に抑えていれば制度は続いたろう。人情としては報償金をあげたい。実業団連合は当時のサポートスポンサーに“奉加帳”を回し、少額でも特別報償金を贈るくらいの度量を見せてほしい。(今村忠)

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