【甘口辛口】若くして勇退する角居勝彦調教師 立場は変わっても独自の目線で競馬界を温かく見守って - SANSPO.COM(サンスポ)

【甘口辛口】若くして勇退する角居勝彦調教師 立場は変わっても独自の目線で競馬界を温かく見守って

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 ■2月27日 須藤靖貴の競馬青春小説「リボンステークス」の主人公である調教助手は、競馬場ごとに独自の観覧席がある。東京だと地下馬道から通じるゴール前。カメラマンの列の後ろだ。

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 国内外で現役最多のGI38勝を挙げた角居勝彦調教師にも独自の観戦スポットがあった。東京競馬場ならウイナーズサークルに面したラチ沿い。そこで一人、レースを見ていた。理由を聞いたことはないが、すぐに愛馬のもとへ駆け寄られる所で走りを見守りたかったのだろう。

 その伯楽が今月いっぱいで調教師を辞める。まだ56歳。家業の天理教の教会を継ぐため、定年まで14年を残しての勇退だ。オーストラリア最大のメルボルンCを制覇(2006年デルタブルース)、64年ぶりの牝馬による日本ダービー制覇(07年ウオッカ)など日本競馬のレベル・国際化を押し上げた一人だけに早期の勇退は競馬界にとって損失といえる。

 とはいえ、角居イズムは途絶えない。残された人馬に受け継がれている。調教助手として支えてきた吉岡辰弥、辻野泰之両氏は調教師に転身。前者は既に勝ち星を積み上げ、後者は師匠と入れ替わりで開業する。

 管理した多くの競走馬は引退後も活躍。ルーラーシップとエピファネイアは種牡馬として成功を収めており、その血を広げていくだろう。後者は母シーザリオも管理し国内外のGIを制しているだけに、まさに角居ブランド。今年種牡馬入りしたシーザリオの子、サートゥルナーリアも成功するはずだ。

 角居師は勇退後も馬と関わる。競走馬のセカンドキャリアを支援する「サンクスホースプロジェクト」の活動を継続。立場は変わっても独自の目線で競馬界を温かく見守ってほしい。(鈴木学)

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