【甘口辛口】ヤクルト助っ人の快音が村上春樹氏の転機に…一流アスリートの躍動する姿が生む感動と勇気 - SANSPO.COM(サンスポ)

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【甘口辛口】ヤクルト助っ人の快音が村上春樹氏の転機に…一流アスリートの躍動する姿が生む感動と勇気

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 ■4月20日 人生、何が転機になるか分からない。有名な話がある。人気作家、村上春樹氏は41年前の1978年4月、東京・神宮球場の外野席にいた。プロ野球ヤクルトファンの一人として、対広島戦を観戦。当時29歳でジャズ喫茶を経営。読書好きだが、小説は書いたことがなかった。

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 一回裏、ヤクルトの先頭打者、デーブ・ヒルトン内野手が左翼線二塁打。米国では大して活躍できなかった助っ人の快音が球場に響き渡った。その瞬間、村上氏は突然「僕には小説が書ける」とひらめいたという。半年後にデビュー作「風の歌を聴け」を生み、以来「物語は自然とやってくる」と明かすほど小説執筆が天職となった。

 ちなみに、ヒルトンはこの年、ヤクルトのリーグ初優勝と日本一に貢献している。実際、野球に限らず、一流アスリートの躍動する姿は大きな感動や勇気をくれる。その輪も広がる。村上氏はヒルトンのおかげで、自らの眠っていた才能を呼び覚まされたのかもしれない。

 前置きが長くなったが、2020年東京五輪・パラリンピックの観戦チケットの抽選申し込みの受け付けが、5月9日午前10時から開始されることが決まった。どの競技を生で見たいか迷うばかりだが、かつてニッポン放送の社長を務めた現フリーアナウンサー、亀渕昭信氏は新入社員を前に「仕事だけする人間になるな。ライブと映画と博物館に行け」と感性を磨くことの大切さを説いた。

 東京五輪・パラリンピックも、村上青年のように何らかの啓示を受ける格好の機会になるかもしれない。小欄はチケットをゲットできても、ぐっと我慢。格好つけるつもりは毛頭ないが、若い世代や子供たちにまず生の迫力を体感させたい。 (森岡真一郎)

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