【甘口辛口】厩のにおいに導かれた再会 夢諦め、皇宮警察の門たたいた護衛官の活躍願う - SANSPO.COM(サンスポ)

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【甘口辛口】厩のにおいに導かれた再会 夢諦め、皇宮警察の門たたいた護衛官の活躍願う

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 ■3月8日 会社から1駅分を歩く帰り道、懐かしいにおいがした。競馬記者のとき、競走馬のトレーニングセンターで何年も嗅いできた厩(うまや)のにおいだ。周囲はビルばかり。不思議に思っていたら、市販の地図で皇居に乗馬施設があるのを知った。皇居の厩から風に乗ってきたものだった。

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 皇居にいる馬をインターネットで調べると懐かしい顔と遭遇した。皇宮警察の大久保匡洋護衛官。彼とは2003年の夏、フランスで知り合った。日本馬の海外遠征を取材した際、遠征馬の生産牧場に勤めていた彼が研修で来ていた。大久保洋吉調教師の長男で、自身も同じ道を目指していると話していたのだが…。

 今週、38歳になった彼と再会。その笑顔に16年前のフランスでの時間がよみがえった。彼はその後、競馬学校に入るも182センチの長身で無理して体重58キロを維持し体調不良で入院。夢を諦めた。サラリーマンになったが、馬に携わる仕事をしたいという思いを断ち切れず皇宮警察の門をたたいた。

 皇居には皇宮警察の所属馬が14頭おり、新任の大使らが派遣元の元首からの信任状を天皇陛下にささげ渡す信任状捧呈式で活躍。東京駅から皇居宮殿までの道のりを進む馬車を警護する皇宮護衛官を乗せる。

 匡洋さんが初めてその役目に臨んだとき、警視庁所属の一頭が父が管理していた馬だった。善戦するも重賞を勝てずに引退。厩舎によく遊びに行っていた頃の馬だけに、皇宮護衛官になって忘れられない出来事だ。息子の雄姿とともに愛馬と再会した父も誇らしく思ったことだろう。小欄にとっては風に乗ってきた皇居の厩のにおいに誘われ、導かれた再会。不思議な縁に感謝しつつ匡洋さんの活躍を願う。 (鈴木学)

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