【甘口辛口】100年以上も残るスタジアム ストックホルム市民の生活に息づく無形の“レガシー”にも感服 - SANSPO.COM(サンスポ)

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【甘口辛口】100年以上も残るスタジアム ストックホルム市民の生活に息づく無形の“レガシー”にも感服

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 ■3月5日 「これぞ五輪のレガシー」と思わずうなずいた。3日のNHK大河ドラマ「いだてん」では主人公のマラソン選手金栗四三(中村勘九郎)がシベリア鉄道を経由して17日間の長旅の末、五輪開催地のストックホルムに着きメーンスタジアムを下見するシーンがあった。短距離の三島弥彦(生田斗真)とともに日本人として初参加した五輪だった。

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 このスタジアム「オリンピック・スタディオン」は約1万4000人収容とこぢんまりしているが、1912年の五輪開催のために建設された歴史的な競技場。トラックが全天候型になったほかは当時のままで、サッカーや陸上の国際大会も行われているという。

 ここを本拠地とするサッカークラブがあり10年ほど前、トラックを撤去してサッカー専用スタジアムに改修する構想も浮上したが、市は現状維持を貫いたという。設計者が半永久的な建造物としてこだわった重厚なレンガ造り。1世紀を経て、なお現役ばりばりとは“建てては壊す…”日本から見れば驚異でもある。

 東京では新国立競技場建設が急ピッチで進んでいる。旧国立は「改修で十分使え、費用も抑えられる」という建築家たちの声も届かずに姿を消した。その上、五輪が済むと早々とトラックが撤去され球技専用になるという。五輪招致決定後「レガシー」なる言葉が流行語のように聞かれたが、これでは「レガシー」もヘチマもない。

 聞けば「いだてん」の現地ロケでは、100年以上も前の五輪でも開催都市の誇りを感じているストックホルム市民が喜々として協力してくれたという。スタジアムだけではなく、市民生活にも息づく無形の“レガシー”には感服するしかない。 (今村忠)

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