【小早川毅彦のベースボールカルテ】今も野球が“お山の大将”扱いだが…競技人口減少の原因調べる必要ある - SANSPO.COM(サンスポ)

【小早川毅彦のベースボールカルテ】今も野球が“お山の大将”扱いだが…競技人口減少の原因調べる必要ある

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 「こどもの日」の朝、テレビ番組で子供たちの野球離れを取り上げていた。確かに野球界では、かなり前から競技人口の減少が危惧されている。でも、子供の数が減っているから当然のこと。私はずっと、「野球離れの何が問題なのか?」という疑問を抱いている。

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 昔は男の子の遊びといえば、まず野球だった。しかし、今はスポーツが多様化し、選択肢が増えている。野球以外にやりたいスポーツがあるからやっているだけなのに、日本では今も野球が“お山の大将”のように扱われている。

 日本高野連が発表している統計(1982年以降)によると、硬式の加盟校は2005年の4253校をピークに減り続け、昨年は3932校。部員数は14年に初めて17万人を超えたが、昨年は32年ぶりに14万人を割った。高校に入って初めて野球をやる子は極めて少なく、多くは小学校から経験している。野球離れの大きな原因の一つが、少年野球チームの勝利至上主義の指導者だ。

 たまに少年野球の指導を頼まれて、現場に行くことがある。試合では無死で走者が出ると、必ずと言っていいほど送りバント。たとえ4番でも同じで、失敗しようものなら怒鳴られる。勝ち負けにこだわると、野球を始めたばかりの子は相手にされないからおもしろくない。叱られてやめる子もいれば、興味を持っているのに厳しい指導が嫌でチームに入るのをためらう子もいるだろう。

 野球は思い切りバットを振るから楽しい。子供の頃は特にそうだ。小学生の野球に送りバントはいらないし、伸び伸びやらせたい。野球と呼べないような低学年の試合でも、負ければ悔しくて泣く子がいる。うまくなるには、悔しいと思うことも大切。やらされているだけ、叱られるだけでは悔しさは出てこない。

 高校生の甲子園大会を筆頭に、小学生にも全国大会がある。今夏は高校女子の全国大会決勝が甲子園で初開催されることが決まった。目標を持った子が、それに向かって野球を続けてくれることが大事だ。むやみやたらと「競技人口を増やせ」ではなく、野球をやりたい子が続けられない原因を調べる必要があると思う。(本紙専属評論家)

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