【虎のソナタ】キャンプMVP級トラ番に届いた母の愛
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沖縄のお天気は気まぐれだ。テレビ中継でヤクルト戦をご覧になった熱心な虎党は「ちょっとパラパラ降ってたけれど、無事、キャンプ中の練習試合最終戦ができたなぁ」ぐらいにしか思ってないでしょう。でも、ヤクルトと戦った浦添市から約10キロ北上した北谷町での中日-楽天は雨のためノーゲーム。へぇ、そんなに降ったのか?
その北谷町から約30キロ北上したところにある虎のキャンプ地・宜野座は途中から降り出した雨で練習スケジュールが変更に。
「スアレスのシート打撃登板はなんとかできたんですが、岩崎が登場したら、グラウンドでの練習ができないぐらい降ってきて。最終的に雨は上がったんですが」
残留練習を取材したサブキャップ新里公章は沖縄生まれ。「2月の沖縄は雲の動きで一気に変わりますから」と慣れっこの様子だ。
だからこそ、試合ができて万々歳! 阪神は開幕カードの相手でもあるヤクルトに1点差で逃げ切り勝利。キャンプ中の対外試合は5勝2敗1分と大きく勝ち越し、同一リーグの中日、ヤクルトに連勝締め。実に気分がいい。これも、お天道様が味方をしてくれたおかげ。
キャップ長友孝輔の原稿の割り振りも軽快だ。各所に散らばっているトラ番に指示LINEが届く。
1面 糸井(菊地)
2面 チェン(長友)
2面 梅野(新里)
3面 佐藤輝
それを読んで、全員が何も思わず、執筆作業に入ったころ、キャップ長友から訂正(?)LINEが。
「ゴメン、佐藤輝の筆者名、書き入れてなかったわ」
すかさず返事が。
「大丈夫です。もう書き始めてます」
わが社の誇る佐藤輝担当・原田遼太郎からだった。彼は覚悟ができている。何が起きてもスーパールーキーの原稿は「オレがヤル」と。長友キャップも、当然すぎて書き忘れるわけだ。
いい雰囲気で、サンスポのトラ番たちのキャンプも、いよいよ本日最終日。今思えば、あっという間だ。練習は活気があり、レベルも高く、練習試合は白星がいっぱい。
ただ、すべて無観客。景気のいいタイガースをファンに見せてあげたかったなぁ。
実は無観客のキャンプが、トラ番に意外な影響をもたらした。例年なら、ファンで埋まるスタンドに、ことしは報道陣しかいない。すると、キャンプのテレビ中継の画面にやたら映っていたらしいのだ。われわれトラ番記者が。
「映っとったで」「沖縄行ってるんか?」「ええなぁ」「どうせ遊び回ってるんやろ?」
無責任極まりない友人からのLINEが何本届いたことか。
佐藤輝の番記者として駆け回り、キャンプ期間中、MVP級の原稿量を誇った原田記者のスマホにも…。
「日に焼けるから帽子をかぶりなさい。目をこすっていましたね。花粉症には気を付けて、目薬を差しなさい」
届いた文面に愛情がこもる。ふるさと広島のお母さまからだった。CS中継を見て、息子を発見。その姿に無事を確認し、そのしぐさに体調を心配し。いくつになっても、ふるさとの母はわが子を心配し続ける-。
たまには、いい話で締めくくります。