【虎のソナタ】これぞヒーロー!?2年前“予告弾”を放った福留 怪情報通り1打席目いきなりズドン! - SANSPO.COM(サンスポ)

【虎のソナタ】これぞヒーロー!?2年前“予告弾”を放った福留 怪情報通り1打席目いきなりズドン!

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 あれは2019年2月23日の夜のこと。中日1軍キャンプ地である沖縄・北谷町、および2軍キャンプ地・読谷村の夜の街で、怪情報が流れた。

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 「あした、阪神の福留が今季初スタメンで出場して、1打席目の1球目を振って、ホームランにして、ダイヤモンドを1周して、そのまま自分のチーム宿舎に帰るらしい」

 何じゃそりゃ?! トラ番の長友孝輔(現キャップ)らと、読谷村の片隅の居酒屋でほろ酔い気分だったから、すぐには理解できない内容だ。ちなみに、怪情報の発信源は居酒屋の従業員さん。

 まだ阪神に在籍していた福留が、どうやら初出場しそうだという雰囲気はあった。でも、ホームランを放って、すぐに帰るなんて、いくら福留でも公に言うはずがない。怪情報を信じるなら「颯(はやて)のように現れて、颯のように去って行く」漫画の世界のヒーローだ。真剣勝負の野球。よほどの実力がなければ、いや、あってもできるもんじゃない。

 ところが、2件目の北谷町のバーのマスターも同じような話をした。これはどういうことなのか? 酔っぱらっているから、何も解決せずに翌日を迎えることに。

 そして北谷球場。当時41歳・福留は「3番・左翼」でスタメン。怪情報の1つ目は正解。一回の1打席目。カウントが3-0になった。四球かな…と思っていたら、次の球を一閃。打球はバックスクリーン直撃弾だ。1球目じゃなかったが、最初のスイングでドカン。ダイヤモンドを1周しているではないか。

 すごい。すぐには帰らず2打席目も立ったから、ガセネタも混ざっていたが、怪情報はほとんど的中。これぞヒーローだった。福留がホントに公言して回った?! と疑ってしまうほどだった。

 真相は後日、居酒屋の従業員から聞かされた。

 「昔からの福留選手の知り合いが、『彼は義理堅いからきっと中日戦に出るよ。まだ調整段階なので、たぶん1回しか振らないらしい。打ったら、すぐに帰るよ』とあちこちで話しているうちに、話が盛られたようですね」

 でも、そんな無責任な予想をほぼほぼ実現させてしまうところが、福留のすごさ。周囲が話を盛ってしまうのも、「福留だったら…」と思ってしまうから。

 あれから2年。ことしも福留はスタメン出場だった。ただ、ユニホームは中日になり、背番号も「9」に代わり、何より43歳になっている。それでも、義理堅く?! 阪神戦を2021年の初陣の舞台に選んでくれた。そして、4度も打席に立ち、犠牲フライで1打点。2つの四球を選んだ。ひと振りでホームランはなかったけれど、ことしも元気そうだ。

 去年まで福留の偉大さを間近で見てきた若虎たちの中に、「話を盛っても、それ以上の活躍をしそう」と予感させる“後継者”が早く出てくることを待ちましょうか。今はまだ、荷が重そうだけど、いつかきっと。

 ナマで福留の4打席を目撃した長友キャップも「きっと、ことしも初球を振るだろうなぁと思って見ていたら、やっぱり振りましたね」と変わらぬプレースタイルに感服していた。

 「海もきれいでした」

 そう付け加えた長友キャップ。明るい日差しが戻ってきた南国。打ち上げまで1週間あまり。ラストスパートです。

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