【虎のソナタ】顔見てすぐ思い出す「ライト西村、レフト西村」 翌年は代走に…真弓監督の仰天起用 - SANSPO.COM(サンスポ)

【虎のソナタ】顔見てすぐ思い出す「ライト西村、レフト西村」 翌年は代走に…真弓監督の仰天起用

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 宜野座キャンプに、トラ番たちの休みカバーを兼ねて“助っ人”として出張しているデスク阿部祐亮は、本人いわく「ここでは僕は4番目のトラ番」。菊地峻太朗がメイン球場で打者を、ベテラン三木建次がブルペンで投手を、司令塔役のサブキャップ新里公章が全体をみている中、“隙間”をぬってサブグラウンドをウロウロしているとき、なつかしい顔に再会しました。

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 「久しぶりやねえ。思い出すなあ。『ライト西村、レフト西村』の真弓スペシャル」

 「アハハ、いきなりそれですか。でも、ファンのみなさんの記憶にも、それが一番残っていますよね」

 阿部が声をかけた相手は西村憲さん、34歳。2009年から14年まで阪神に在籍し、通算95試合に登板して8勝4敗15ホールド、防御率3・70。独立リーグなどを経て現在は沖縄・うるま市を拠点とする社会人チーム「エナジック」に投手兼任コーチとして所属しています。テレビ大阪のタイガース特番「猛虎大作戦」(3月13日放送予定)のリポーターを依頼されたそうで、この日は梅野と藤浪のインタビューに来ていたのでした。

 阪神在籍時は藤川、榎田(現西武)らとともにセットアッパーとして活躍した右腕ですが、ファンの記憶にもっとも残っているハイライトシーンは、阿部とのやり取りの通り、あの試合でしょう。

 2010年9月9日の中日戦(甲子園)。0・5ゲーム差で迎えた首位攻防戦は、負ければ2位転落の阪神が1-2の九回に追いつき、延長に突入。しかし、十回1死満塁の絶好機で浅井が遊直。一走のブラゼルが当たりにつられて飛び出し、戻りきれずに併殺になった上に、判定に激高して一塁塁審に暴言をはき、退場処分に。九回までにベンチ入り野手全員を使い切っていた阪神は大ピンチに陥ったのです。

 窮地を救ったのが、まだ登板していなかった西村さんでした。真弓監督は、中堅を守っていた浅井をブラゼルがいなくなった一塁に回し、平野と俊介の2人になった外野に投手西村を起用。「球児(十、十一回をイニングまたぎ登板)と福原(十二回に登板)の球は簡単には引っ張れない」として左打者のときは右翼を、右打者のときは左翼を守らせ、平野とポジションを4度も入れ替えながら2イニングしのいで、引き分けに持ち込んだのでした。

 「西村君は、代走でも起用されたよね」

 「代走は次の年です」

 2人は、もう一つの仰天起用もよく覚えていました。2011年9月23日の巨人戦(甲子園)。4-4の九回1死一、二塁の場面で、西村さんは二走・桧山の代走に起用されています。その試合も野手を使い切っていました。後続が凡退して4-4のまま引き分けに終わりましたが、投手としての本業だけでなく、困ったときにチームを救ってくれたスーパーサブでした。

 「まあ、つまり、今の僕のような」

 何を言うてんねん、アンタは4番目。高橋遥人が右脇腹を痛めてしまいました。トラ番たちの取材では開幕は難しいらしい。

 「けど、若い投手にとっては、これはチャンスなんやから。誰か出てきてくれたら。その候補も今の阪神はいっぱいおる」

 ブルペンをみていたビヤ樽三木も、11年前を思い出した阿部も、あの日の西村さんのような救世主が現れることを願っています。

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