【虎のソナタ】藤浪のメロディーは虎のバロメーター 伝統の灯が燃えカスなのか、再点火したのか - SANSPO.COM(サンスポ)

【虎のソナタ】藤浪のメロディーは虎のバロメーター 伝統の灯が燃えカスなのか、再点火したのか

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 阪神に、あの伝統の“一球入魂”の炎がよみがえってきた!

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 ベールを脱いだ藤浪晋太郎の原点回帰となるマウンドは宜野座。2度目の紅白戦で、白組の2番手として三回から登板。テレビ中継では最速156キロ! 猛虎本来の伝統の血脈がスタンドにこだました。

 朝からわが虎番軍団たちも鼻息が荒かった。それだけ期待値が高い若虎がズラーッと並ぶ今年の矢野阪神。

 朝イチで「令和の田淵幸一」とまで称されるドラフト1位・佐藤輝明を重点的にマークしてきた虎番原田遼太郎に電話を入れたら「僕だって肩に力が入っています」ときた。ならばこの日の当番デスク阿部祐亮も同じか。連絡してみる。おい、俺は今日『虎ソナ』の担当なんだ。貴様もコーフンしているのか!?

 阿部は電話のむこうでため息まじりに「先輩、こんな早朝から、そんなにコーフンしていたら、もちませんよ」という。紅白戦でこんなにワクワクするなんて、いつからのことなのだろうか。

 実は最近、阿部デスクはひそかにピアノを買ったらしい。よく、テレビなどで『駅ピアノ』と称してフロアにピアノが置いてある。それを通りすがりの男性が一曲弾く光景。そしてさりげなく…何事もなかったように去っていく…これがまた独特の情緒があり、女性の心をわしづかみにするらしい。阿部の場合は息子たちへの教育という大義名分があるけど、とにかく最近、なぜかこだわりを持ち始めて練習をしているらしいのだ。それが今朝はリキみかえっていたのだ。

 「今日は沖縄は天気もいいですし、リズミカルなゲームになると期待しています」とキャップ長友孝輔の声も透き通っていた。現金なものでチームの状態がいいと彼らの声も透き通ってきこえた。ちなみに長友もまた『駅ピアノ』にはフト立ち止まるタイプらしい。虎番として走りまわっていると、そんな気分にもなるのだろうか。

 さて、その注目の紅白戦は紙面でごらんの通りの内容となった。じっくりとお読みいただこう。

 なに、紅白戦なんだからどちらが勝っても同じ阪神。だからシャンシャンだろうってか。冗談いっちゃいけねぇ。大げさに表現すれば、新型藤浪晋太郎のメロディーは阪神の伝統の灯が燃えカスなのか、再点火したのかのバロメーターなのだ。

 昔、田淵幸一という百年に一人という逸材を一芝居うって阪神は1968年のドラフトで巨人をゲッといわせて大どんでん返しでかっさらった。号泣する田淵を口説き落としたのだが、彼はどうしても「たこ焼きと大阪弁」になじめなかった。

 阪神は69年春の安芸キャンプで甲子園球場と同じ広さの安芸球場でこの新人は昼の特打ち。まるで怒りをぶつけるように28球…1球たりともファウルすることなく左翼スタンドの後方の土手の最上段に放物線を描いてみせた。それは怒りにも似ていた。

 彼と2人だけになったとき「おい、すごいなぁ」といったら、ニコリともせず「あんなの、やろうと思ったら、いつでもやれますョ、僕」と言ったのを今でも鮮明に記憶する。とんでもないヤツがやってきた!

 田淵2世と期待される佐藤輝だが、まだこんなスケールは期待はするが要求してやるのは酷なのだ。それを思うとTGの伝統の基本は『阪神の盾(守り)と巨人の矛(ほこ=攻め)』なのかもしれない。

 田淵は右打ちだった。佐藤は左打ち。甲子園の浜風とも、これから戦わねばならない。

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