【虎のソナタ】記録の神様・千葉さんのすごさ…今も心に 記者の質問に細かい数字交えスラスラ - SANSPO.COM(サンスポ)

【虎のソナタ】記録の神様・千葉さんのすごさ…今も心に 記者の質問に細かい数字交えスラスラ

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 長くパ・リーグの記録部長を務めておられた千葉功さんが亡くなられた。現在のサンスポ屈指のデータマニアであり、トラ番サブキャップ長友孝輔は「子供の頃に千葉さん執筆の週刊ベースボール『記録の手帳』を毎週読んでました」という。公式記録員の直接の姿を知らなくても、記録好きには特別な存在だ。

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 1990年のこと。当時の犠打日本記録保持者は吉田義男。ご存じ、トラの牛若丸だ。その数字に迫っていたのが新井宏昌(近鉄)。さらに新井の背を猛追していたのが平野謙(西武)。

 近鉄担当だった私は、新井さんに先に日本記録を達成してもらいたいから必死で応援。が、不満があった。それは、新井さんの送りバントが頻繁に内野安打になるのだ。つまり犠打にはカウントされない。ルール上仕方がないのだが。

 これって納得いかないんですよ…。記録部長だった千葉さんに“おバカ”な質問をしてしまった。すると、「面白いところに気づいたね」と笑って、手帳をペラペラ。「新井選手は送りバントを試みて内野安打になったケースが〇回。平野選手は□回。圧倒的に新井選手が多い。つまりバントがうますぎる。これが記録の面白さ。日本記録が一番上手な選手を示すかどうか、となると違ってくる」。そんなデータがすぐに出てくるとは…。教えてもらった数字を忘れてしまったのは情けない話だが、記録の神様のすごさは今も心に刻まれている。

 昨年暮れにサンスポ紙面で「あつまれデータの森」の連載を担当した長友も「実は盗塁阻止率の計算をするときに、一塁走者がけん制で誘い出された場合のように、盗塁失敗だけれど、捕手の阻止に当てはまらないケースなど、分からないことが結構あったんです。記録は難しいですね」と振り返った。千葉さんに教えてもらうべきことはまだまだあっただろうな。

 記録マニアが気になるテーマの一つに「ことし達成されそうな記録」というのがある。阪神で調べてみると、意外に少ないのだが。

 通算1500奪三振まで「4」に迫っていた能見はオリックスに行ってしまった。福留も中日へ去って行った。400二塁打まで「4」、1000四球まで「18」、2000試合出場まで「91」、2000安打まで「91」(いずれもMLBは含まないNPB記録)。いずれもタテジマでの達成は消えてしまった。残念!

 数少ない偉大な節目が糸井の300盗塁。あと「1」だ。ただ、昨年7月2日に299個目を成功させてリーチをかけて以降、1度も成功していない(失敗1)。体調も影響していたのだろう。

 織原祥平が「トラ番こそこそウワサ話」を教えてくれた。

 「実は去年の7月以降、球団広報のみなさんが、糸井さんが記録達成の際に掲げるボードを常に持ち歩いておられたんです。甲子園はもちろん、東京も、広島も、名古屋も。日本中をあっちへ、こっちへ。あのボードはすごい移動距離だったと思います。ところが日の目を見なかった。ことしはたぶん、新調されて、また旅するんでしょうね。“その瞬間”を願っている広報の方々のためにも、早い時期に大記録達成を願いたいです」

 記録に注目するのもプロ野球。そんな楽しみ方を教えてくださった千葉さんに感謝です。

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